ユズリハは、常緑樹です。初夏に新しい葉が出る頃、一斉に古い葉を落とすので、この名前が付いています。葉の軸と所が赤いのが特徴的です。新年の飾りに使われるようです。
昔、6年生の国語の教科書に、「ゆずり葉」という詩が載っていました。
今、読んでみると、少し説教っぽいなと思います。
モミの木は7年間も葉がついていて、何世代も一緒なので、それはそれで、微笑ましいなと思います。
ユズリハ(20181222 長居)
「ゆずり葉」 河井酔茗 |
子供たちよ。
これは譲り葉の木です。
この譲り葉は
新しい葉が出来ると
入り代わつてふるい葉が落ちてしまふのです。
こんなに厚い葉
こんなに大きい葉でも
新しい葉が出来ると無造作に落ちる
新しい葉にいのちを譲つてー 。
子供たちよ
お前たちは何を欲しがらないでも
凡てのものがお前達に譲られるのです。
太陽の廻るかぎり
譲られるものは絶えません。
輝ける大都会も
そつくりお前たちが譲り受けるのです。
読みきれないほどの書物も
みんなお前たちの手に受取るのです。
幸福なる子供たちよ
お前たちの手はまだ小さいけれどー 。
世のお父さん、お母さんたちは
何一つ持つてゆかない。
みんなお前たちに譲つてゆくために
いのちあるもの、よいもの、美しいものを、
一生懸命に造つてゐます。
今、お前たちは気が附かないけれど
ひとりでにいのちは延びる。
鳥のやうにうたひ、花のやうに笑ってゐる間に
気が附いてきます。
そしたら子供たちよ。
もう一度譲り葉の木の下に立って
譲り葉を見るときが来るでせう。