田代先生に来園していただき、植物のお話を聞きました。主催は、保護者の園芸部です。きつねTはお手伝いをさせていただきました。A4、1枚程にまとめました。25人ほどの保護者が、参加してくださいました。
6月22日(金)の朝から、田代先生にご来園いただき、幼稚園の保護者と一緒に植物のお話を聞くことができました。田代先生は、奈良の高校の生物の先生をしておられて、退職後、非常勤で大阪の高校で生物を教えておられるようです。大阪市立自然史博物館友の会の副会長もされておられて、樹木についてとても詳しい先生です。これまで3年間に、何度も幼稚園に来ていただき、観察会や、樹木に名前をつけるご指導を受けたりしました。
今年で3回目の植物観察会では、プレゼンを作ってきて、それを見せながらお話を進めてくださいました。野外観察はなくて、部屋の中での講義でした。雨の場合を考えて、準備をしてくださっていました。多くの植物も採集して持参してくださっていたので、準備にすごく時間をかけてくださっていることが分かります。
植物の葉の付き方についてのお話がいくつかありました。複葉の話、枝に付く葉が回転しながら付いている話、ポプラの葉がそよぐ話、托葉の話、新しく伸びた枝に葉がつく話など、植物の体のつくりについてのお話がありました。イチョウやカツラなどの木は、古い枝にも葉が付くことがあるのは、短い枝につくのだということでした。イチョウやソテツの受粉の仕方についても説明されました。どんぐりの先端の形や殻斗の模様の話もありました。野外で植物を同定するには、本当にたくさんの知識が必要になるということが、先生のお話のマニア性から感じることができました。
次に、植物の体のつくりの規則性についての話の時には、松ぼっくりを使った観察をしながら、お話をしてくださいました。フィボナッチ数列にしたがうような、並び方をするようです。また、葉を火であぶると「死環」ができる現象も見せてくださいました。よくわからなかったので、家に帰ってからネットで調べると「植物の葉をライターなどであぶると、熱した中心部は緑のままであるが、周辺がやがて黒変し、黒い環ができることがある。これを死環という。モチノキ科などで顕著に見られ、植物の同定に役立つ。どうしてこのようなリング状の黒変が起こるのであろうか? 葉が熱せられて高温になると、もちろん葉の組織・細胞は死んでしまう。煮えてしまうわけである。熱せられた中心部から離れるにつれ、温度の上昇は低くなる。おそらく、70℃前後の温度ではないかと思うが、細胞全体としてはコントロールができなくなった状態となるが、酵素は活性を保持しているという状況が発生する。このような状態では、制御を失った酵素が暴走反応を起こし、周辺の物質を変質させてしまう。この部分が黒変する部分であり、それよりも外側は温度の上昇があまりなかったので、細胞全体としても生きており、酵素はコントロールされているので、黒変しない。」ということでした。植物の同定には、よく使われる手法のようです。初めて聞くので「死環」という言葉が、どんな漢字を書くのかが分からないので、あとで調べると、ああそうなんだと理解できました。タラヨウの葉も、同じような現象が見られ、さらにこの葉は、ハガキの葉と言われていて、とがったもので葉に文字を書くと後で文字が浮かび上がるということも話されていました。少し前、幼稚園児も紹介してくれていて、ブログに載せていたことを思い出しました。
動物についても、少し付け足しのように話されました。市民講座などで子ども達に話をするとき、植物にはあまり興味をしめさないということで、動物についていくつかの話も準備されていました。イモリやヤモリやトカゲ、またほ乳類の足の指の数について、5本ではないという話でした。淡水に住むシジミや巻貝は、酸性の水質により、貝殻が溶ける話は、興味がありました。海の貝では見られない、淡水の貝の特徴の疑問が分かったような気がしました。ナメクジの甲羅の話、ヘビのしっぽの話、マムシとアオダイショウの子どもの話もありました。
植物をはじめ、深く自然研究をしていくと、多くの知識が必要になってくることが分かりました。岩石でもそうですが、見えている姿のさらに奥の化学変化や成り立ちについて多くの知識を持っていて初めて、これは、もしかしたら〇〇ではないですかと、言えるようになるのだと思いました。タンポポでも、簡単にタンポポだねと言えるのは深く知らないから言えることで、同じように見えるタンポポでも、似ている種類がいくつもあります。物事を知るということは、とても奥深いことだと、感じることができました。
ありがとうございました。
ネムノキの花(20180622 こぎつね幼稚園)
真ん中の花だけが受粉すると、田代先生に教えてもらいました。
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