百瀬、こっちを向いて | shup 本の日記

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本の日記をつけていきます。
本はその時たまたま読んだものになると思うので、
最新作や話題作ではなく、出版されてから時間が経ったものになると思います。
※2012/4/2より美術館の企画展の感想も書きはじめました。

『百瀬、こっちを向いて』中田永一
★★★☆☆

クラスの末端に所属する、目立たない高校生たちの恋愛話集です。全編に懐かしいにおいがします。短文で構成されているので、非常に読みやすいです。

「百瀬~」は終わり方があざとい感じ。私は最後のちょっとした返しはなしの、さらりと流す終わり方のほうが好きです。あまりにもセオリーどおりの描き方でがっかりしました。これは人によると思いますが。

次の、5年間植物人間状態になって蘇生した女の子の、すべて受け止める恋は素敵でした。授業に1日でも出ないと遅れてしまうという、強迫観念は非常にわかります。それが、ゼロになったとき、投げ出さないところがよい。

学校の先生を好きになるお話は、少女マンガのようでした。ライトな雰囲気。

美しすぎる少女の初恋は、現実離れしていましたが、美しいってやっぱり大変なのねって思わされるものでした。顔で寄ってくる男の人が多くて、なにもかも信じられなくなるって実際にあるんでしょう。ほどほどの人が幸せになりやすいのが世の常なのかな。

百瀬、こっちを向いて。/中田 永一