★★★★☆
ファンタジーというには、あまりに毒々しい人物が主人公です。麻薬中毒で、女に目がない。そして、宗教の代わりに幅を利かせている観相学で、権力をほしいままにして威張り散らしている。
タイトルの白い果実とは、ずっと瑞々しいまま保たれる伝説の果実。それが辺境の地にある教会から盗まれたので、彼は犯人探しに中央から出張をします。そこで見たのは、鉱石を掘り続けたがために、体が石化し最後は真っ青な石になってしまう老人。やはりこれは奇妙なファンタジーなのでしょうか。そういえば、SFの華氏451度に似ているような気もします。
http://shup.at.webry.info/200611/article_1.html
その後の島流しや、きらびやかな中央世界での冒険と舞台がどんどん転換するけれど、一貫して人生のわびしさ、物悲しさを感じる、不思議な読後感がありました。
白い果実/ジェフリー フォード
