「お母さん、やっといてー」
「源氏物語」のレポートを肩代わりしたのは去年の夏のことでした。高2の宿題。
全54帖をクラス全員で分けて、1人1〜2帖をまとめ、見合った表紙をつくる、というもの。
あらすじ以外何を書いてもよし。
お恥ずかしい話、私は源氏物語を読んだことがありません。
そりゃぁ昔、授業では一部やったよ、与謝野晶子翻訳だってトライはしてみた、即挫折。
私が担当したのは、 ← わたし?笑
第52帖で、それだけでは内容が掴めるわけもなく、
10巻中3冊ほどの現代語版を読み、訳者の対談集などから偏りを見極め、当時の歴史や風習をおさらいし、
時に原文に戻り、平安貴族の小説が独りで読むのもではなく紙芝居のように聴くことを知り、原文朗読をあちこち聞いて雰囲気を感じ、
「彼女」だの「兄」だのが誰なのかを常に系図で確かめて、出てくるたびに変わる身分に注意を払いながら、
一方で、源氏物語イベントでどんなことがテーマになっているのか漁ったり、調べ物の途中で出てきた「源氏物語交響曲」を聴いたりして、
「お母さん、提出日が夏休み明けじゃなくてその1週間前だった」驚きの告知に耐え
仕上げたものは、
2学期早々、優秀作品🥇としてプリントになって配布されました ←想定外
ふふ、まだまだ若いもんには負けやせん。
というよりね、
部活と塾でほとんどの時間を取られ、それでも大量の宿題をこなさなくちゃいけない子供たちに
(学校の先生って宿題出すのは自分だけ、自分の教科だけって思ってますよね、総量見てない)
これだけ調べ物が必要なレポートは無理ってもんです。
それでも調べたあれこれを高2男子たち(当時)に話すのは、
良いアウトプット求めるなら膨大なインプットがあって初めて叶うこと、
伝えるためです。私が知ったほとんどはレポートの断片にすら現れないのですから。
砂金を探すってボツの砂と戯れること。そして表に出さない砂の中にはちょっと形が変わったものや色の珍しいものもあって、これが知識という財産になったり、知りえた人だけのお楽しみ。
以来、いつか全体を読んでおこうかな〜の「いつか」がなかなか来ないまま過ごしていましたがとうとう!
去年読んだものも合わせて、それだけでは理解できないものはまたいろんな資料に頼ったりして、10巻最後まで読み終えたのでした。
作品中に出てくる795種の和歌について書かれた本を参考書としたり、作中で示される「古くからの言い伝え」や琴や笙を伴う唄について確認しながらで‥ いやぁ、時間かかったわー。
源氏物語は大学入試でよく扱われるとか。気になったところは別だしして息子たちへ、高3生。
ある時、「清ら」は「清げ」より一段高い形容詞で「気高く美しい」意味だって、
と言ったらば、
何を当たり前なことゆうとん?
それ、基本中の基本、初めての古語単語に出てくる言葉やで。
あーら、母、無知でした〜