公務員試験社会人・経験者枠の面接について | 彼の西山に登り

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公務員試験講師があれこれ綴るブログ。

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この頃は、通常の公務員試験の日程が一段落すると、社会人・経験者採用の試験を実施する職種が増えてきました。

受験する方の属性上、土・日や祝日に模擬面接が集中しがちで、このところは平日より週末のほうが忙しいくらいです。

 

経験者採用でも、受験の要件をぎりぎり充たしているくらいの若い方だと、面接カードに学生のときと同じような志望動機を書いてくる方が少なくありません。

新卒の学生が使う面接対策書などを参考にしているのではないかと推測されます。

しかし、ここはやはり、特別な試験を実施する趣旨を考えて対策したいものです。

 

 

経験者採用試験の受験者は、民間企業から公務員への転職を目指す方と、公務員から別職種の公務員に転職を目指す方に大別されます。

 

また、経験者採用試験の趣旨は、実施機関によって様々でしょうが、主に、新卒学生から当該官庁・自治体で純粋養成された職員だけでは人材の多様性が図り難いことから、別種の、特に民間の発想(コスト意識、接客意識、効率的な仕事のやり方など)を導入しようという場合が多いだろうと思われます。


そこからすると、民間企業から公務員への転職を目指す方の場合、志望動機中に民間企業の仕事への嫌悪感をあまりに強調しすぎるのは、疑問があります。

 

ある程度疑問を感じたことを述べるのはもちろん構わないでしょうが、「利益追求が嫌になった」とか「顧客に媚びるのが苦痛」とかいった不満を露わに強調するのは、「イヤ、そういう人を欲しいんじゃないんだが」と思われるかもしれません。

 

やはり、「今までの経験を生かして、公務員としてこういう仕事に取り組み、国・公共団体や国民・住民のために働きたい」といったような積極的な欲求に基づく説明が欲しいところです。

 

その上で、「なぜそう思ったのか」という根拠を具体的エピソードで立証しつつ語れるように準備できているのが基本と思います。

 

前・現職の民間企業の規模が大きいほど、また、そこで活躍しているほど、相対的に採用時の待遇は低くなる可能性が高くなります。

それでもまた辞めないという安心感を面接官に与える必要がありますからね。

 

 

一方、公務員から別職種の公務員に転職を目指す方の場合、「民間の風を導入する」という趣旨とは別の考慮で選択されることを意識する必要があるでしょう。

 

思うに、このような方に主に求められるのは、優れた行政能力であろうと思われます。

もちろん、ルーティンを確実にこなす安心感も大事でないとはいいませんが、やはり求められやすいのは、新たに創意・工夫する力と、それを実行する力でしょう。

その内容での経験・能力の実証が重要になるでしょう。

 

また、国家公務員・地方公務員間の転職や、広域自治体・基礎自治体間の転職の場合、あらましでも仕事の違いが分かっているかは、早期退職リスクを避ける上で、確認されやすいでしょう。

 

いずれにせよ、同じ行政と入っても、仕事のやり方などには違いがあるはずです。「郷に入りては郷に従え」ともいいます。

また、組織で仕事をする以上、内部の和も重要であることはいうまでもありません。

したがって、いくら実績や自信があったとしても、いや、あればあるほど、自分のやり方を振り回さない謙虚さをもっていると示せることは致命的に重要でしょう。

 

 

また、民間企業であれ公務員であれ、前・現職を辞めた・辞めることへの辻褄合わせに躍起になる場合も見られますが、採用する方としては、よほど非常識な経緯でない限り、採用後に活躍してくれるかの方が、はるかに重大関心事の筈です。

露骨に言えば他所の人材を掻っ攫おうとしている訳ですしね。

 

とはいえ、身勝手なもので、立場か絡めば面接官も人の子、「今辞めようとしているように、採用してもすぐに辞めてしまわないか」は非常に気にします。

 

その歯止めになるのは、第一義的には、国や当該地域、国民や住民に対する思いや、そのために働くことへの自負でしょうが、それだけでは新卒の学生と変わりません。

 

それに加え、前・現職の異動などを素材に、新しい職場への適応力に優れていることを示すことができれば、早期退職リスクへの疑いを軽減ないし払拭する事情として役立つでしょう。

 

また、一通りの志望理由を述べてからの話ではありますが、家庭の事情などの個人的事情も、転職の必然性を面接官に納得してもらう効果は高いです。

苦労してついたはずの職を辞めてまで転職に挑戦するわけですから、新卒の学生と同じ建前的な動機だけでは面接官も納得できないのがむしろ通例でしょう。

家庭の事情などで拠所無く転職しなければならないというのは、社会人の抱える事情としては、納得いきやすいですからね。

 

私の記憶する限り、最もスンナリ行った説明は、基礎自治体間の転職で、結婚のため遠方に転居しなければならないが、公務員の仕事はやりがいがあり、経験を生かして続けたい、というものです。

 

 

 

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