昨日から旧朝吹山荘「睡鳩荘」で「薔薇の画家 ルドゥーテ展」がスタートしました。 | 軽井沢高原文庫

昨日から旧朝吹山荘「睡鳩荘」で「薔薇の画家 ルドゥーテ展」がスタートしました。

 きのうから旧朝吹山荘「睡鳩荘」で「薔薇の画家 ルドゥーテ展」がスタートしました。「花の画家」、「バラの画家」と呼ばれているフランス宮廷画家ルドゥーテ(1759-1840)の代表作『バラ図譜』から約30点を紹介しています。料金300円(軽井沢タリアセン入園料別)。

 一昨日、軽井沢高原文庫に、午前中は上田市塩田公民館の団体30名様の来館があり、そのご案内をさせていただき、午後は学習院大学外国語教育センター所長の堀内ゆかりさんや、学習院大学史料館学芸員の冨田ゆりさん、元愛知県美術館館長の拝戸雅彦さんの3人が来られ、2時間余り色々お話をさせていただきました。その合間を縫って、睡鳩荘に赴き、ルドゥーテ展の飾りつけをしていました。閉館後も、2時間ほどその続きを行い、何とか完成させました。

 ここで、ルドゥーテをご存知ない方に、簡単にご説明させていただきます。

 ベルギー生まれのピエール=ジョゼフ・ルドゥーテは、ナポレオン1世の皇妃ジョゼフィーヌが営むマルメゾン宮殿の庭園の出入りの許可を得て、マルメゾン宮殿のバラや他の植物の絵を描き、その後、いくつかの植物図譜を著しました。その中でも、ジョゼフィーヌの死後の1817年~1824年にかけて製作された『バラ図譜』は、約170種のバラが精密に描かれ、芸術的価値だけではなく、植物学上も重要な資料となっています。

 ルドゥーテは、当時の印刷法を改良し、さらに銅版画による多色印刷に手彩色による修正を施すなどして、植物学的な正確さに加え、植物が持つしなやかさやみずみずしさを表現することに成功しています。ルドゥーテ『バラ図譜』が傑作と言われるゆえんです。

 今回、展示するのは、1824年~26年にかけて、パリのパンクック書店から刊行された小型の『バラ図譜』オクタヴォ版(3巻)に収められた160図の一部です(1巻・1824年刊)。テキストはクロード・アントワーヌ・トリ―(『バラ図譜』初版3巻[1817~24]パリ・ディドー書店刊と同じ筆者)。

 今回、軽井沢のバラが咲き誇る6月中旬~7月初旬の時期に合わせて、展示いたします。‟バラの画家”と愛称されるルドゥーテが晩年に描いた200年前の名花譜を、フランス文学者の朝吹登水子さんゆかりの睡鳩荘で、どうぞご鑑賞ください。

 実はルドゥーテの薔薇図譜に関するグッズが初日に間に合わなかったのですが、2日目の今日から1階で販売しています。そちらもぜひのぞいてみてください。 (大藤 記)