貴重な出会い | 軽井沢高原文庫

貴重な出会い

 こうした仕事をしていると、日々、様々な貴重な出会いがあります。

 昨日は、京都の国際日本文化研究センターに在籍するという30歳くらいの中国人女性が来館され、少し話すうちに、日本語が非常に堪能で、川端康成を研究していることが分かりましたので、私から申し出て、本日、軽井沢における川端ゆかりの場所をご案内してきました。女性から、京都を舞台にした川端作品(中篇・長篇小説)は、「古都」「美しさと哀しみと」「虹いくたび」「日も月も」「たまゆら」であると教えて頂きました。

 数日前、香港から上智大学に留学中という、やはり30歳くらいの女性が来館されました。すでにアメリカにも3年間、留学されたという女性は、現在、旅行の文化を研究していて、そうしたテーマで探索を進める中で、「軽井沢がすごくスペシャルなケースだと思う」ようになり、当地を訪れたとのことでした。帰りに当館の刊行物をたくさん、購入されました。

 昨日は、35年間、ニューヨークで公認会計士の事務所を経営され、昨年から軽井沢に移住したという日本人男性がお見えになりました。男性は大学受験の浪人時代、東京・国立の書店で加藤周一『羊の歌』に出会い、以来、加藤氏の著作をずっと愛読されてきたそうで、ほぼ全著作を読んだとのこと。そして、加藤さんをきっかけに、加藤さんの盟友の福永武彦さん、中村真一郎さんの著作にも親しんでこられたとおっしゃっていました。このコロナ禍を機に、思い切って加藤さんゆかりの軽井沢町追分に移住し、余生はここでゆっくり過ごしたい、という心に沁みるお話でした。

 もうお一人。1週間ほど前、ギタレレを肩にかけて、私はてっきり大賀ホールに演奏に来た演奏家の方とばかり思ってしまったのですが、20代半ばの日本人女性が来館されました。早大卒後、一度、社会人を経験し、今度、再び大学院で学び直そうとしているとのこと。現在、「病」「生きづらさ」「ケア」「暮らし」「食」などを研究テーマに、東京藝大アートプロジェクトに関わったり、バリアフリー日本語字幕ライターなどをなさったり、私たちの暮らしの基盤となる「居場所」づくりにいったい何が必要なのか、彼女なりに一生懸命、模索している様子でした。今回、当館やほっちのロッヂの診療所などを訪問するため、軽井沢を訪れたようでした。ギタレレを中庭の堀辰雄山荘で弾いてもいいですよ!、と私が申し上げたので、おそらく弾いたと思います。(大藤 記)