『辻邦生 永遠のアルカディアへ』刊行
このほど、『辻邦生 永遠のアルカディアへ』(学習院大学史料館編、2019.6.10、中央公論新社)が刊行されました。没後20年記念出版。1800円+税。
2015年から2018年に開催された辻邦生関連展示(学習院大学史料館主催)の記念冊子(全5冊)に、展示資料、講演、エッセイ等を加えて、新たに編集したもの。当館発行の「高原文庫」第24号(没後10年 辻邦生展~豊饒なロマンの世界~)からも、水村美苗「想像力の優位」、堀江敏幸「生というものを、このようにつかむこと」が再録されています。
一見、ムック本のような趣を感じますが、内容は驚くほど充実しています。30人ほどの方のエッセイや講演抄録、アップダイクの『安土往還記』評、塩野七生・辻邦生対談「世紀末への招待」などを収録。
写真も多数掲載。生涯「たえず書き続けた」日記は100冊に及ぶそうで、その写真に私は思わず見入ってしまいました。「一目でわかる『春の戴冠』」他の地図・図解も面白い。
私は本書を、ひそかに「辻邦生へのチチェローネ」と名付けました。辻佐保子夫人がご尽力なさった「辻邦生全集」全20巻(新潮社)の傍らに置きたいと思います。 (大藤 記)
