宮原安春氏、ご逝去
『軽井沢物語』(講談社)などの著作のあるノンフィクション作家の宮原安春氏が2017.1.20、肺炎のため、ご逝去されました。75歳。謹んでお悔やみ申し上げます。明治以降の避暑地・軽井沢の歴史を独自の視点で掘り下げ、書物にまとめてこられた方が、昨年の桐山秀樹氏(ノンフィクション作家で、『軽井沢という聖地』などの著者)につづき、またおひとり、お亡くなりになりました。誠に残念です。当館との関係では、宮原さんには「高原文庫」9(1994.7)に「九〇年前のリゾート文化」を、桐山さんには「高原文庫」25(2010.7)に「軽井沢の宿について」をご執筆いただきました。なお、宮原さんの『軽井沢物語』 は1989~1990年にかけ、信濃毎日新聞文化欄に190回にわたり、連載されたものが元になっています。信濃毎日の明治6年からのマイクロフィルムを丁寧に検索し、多くの証言等をもとに、まとめられた労作。文学の叙述はそれほど出てきませんが、戦争を境に変貌を重ねてゆく近代の軽井沢の姿を、具体的に、丹念に調べ上げ、叙述なさっています。軽井沢避暑地100年が過ぎた数年後に、こうしたまとまった歴史叙述が現れたというのは、今となって振り返れば、筆者の深い関心もさることながら、時代の機運のようなものがあったのかもしれません。宮原さんは1942年、長野県生まれ。早大露文科中退。他の著書に『祈り 美智子皇后』『神谷美恵子 聖なる声』など。