小池昌代「絵の中のわたし」 | 軽井沢高原文庫

小池昌代「絵の中のわたし」

小池昌代「絵の中のわたし」というコラムをご覧になってみてください(2017.1.5~、日経・文化)。「惹かれる絵を十枚並べてみた。十枚を貫く要素は何だろう。絵の中にそれを探しに行こうと思う。」というのがテーマ。これを読んで感じるのは、美術史家による作品のディスクリプションとは対極にある、詩人の感性豊かなイマジネーションのちから。選ばれているのは、マティス「生きる喜び」、ヴァロットン「女と海」、ムンク「メランコリー、ラウラ」、ベックリン「死の島」(第1ヴァージョン)…。名作中の名作の内奥に、いともたやすく入ってゆける詩人の感受力の高さに一驚しました。