山装う | 軽井沢高原文庫

山装う

皆さまのお近くの山は、そろそろ秋の紅葉におおわれる「山装う」の姿になっているでしょうか。標高千メートル前後の軽井沢は、空気も景色も、晩秋といった様相を呈してきました。軽井沢の今日の予想気温は、最低が0度、最高が8度。私の経験では、11月3日の文化の日を過ぎる頃、軽井沢は秋から冬へと劇的に変化する、と感じます。つまり、今が季節の変わり目です。話題は変りますが、最近、関東地方のある知人の家へ誘われ、蜜柑の収穫の手伝いをしてきました。私一人で600個ほど、収穫しました。粒は不揃いですが、無農薬の、おいしい蜜柑です。おみやげにたくさん、もらってきました。またまた、話が変りますが、先日亡くなられた三笠宮さまに関して、新聞切抜きなどをぼつぼつ集めています。最近、目にした評伝の中で、2箇所に目がとまりました(朝日2016.10.31宮代栄一)。三笠宮さまはオリエント史がご専門ですが、三笠宮さまにとっての「オリエント」は、広い意味での「地中海より東の世界」を指していた、というのが一点。。もう一点は、一貫して興味を示したのが宗教だったという点。初期の関心は聖書考古学にあったそうで、学会でもゾロアスター教などに関する発表を熱心に聞いていたそうです。その理由を、「人間の情熱をかきたてる根本的な要因を探究してみたい」(『古代オリエント史と私』)と思ったからだと記されているとのこと。20年ほど前、当館を奥様とご来館くださった折、私なりに感じた印象は、背筋のピンと伸びた、大変礼儀正しい、それでいて、どことなく親しみを覚える方、といったものでした。一昨年、幅北光氏が撮影した膨大な写真資料が当館に寄贈されましたが、その中にも、幅氏が三笠宮さまを軽井沢で写した写真が多く含まれています。