文学館報もろもろ | 軽井沢高原文庫

文学館報もろもろ

文学館報について、雑感を記します。たとえば最近、送られてきた「神奈川近代文学館」127は、辻原登氏の「生国は紀州…」、菅野昭正氏の「<寺田流批評>の秘法」というふたつのエッセイを、私はとても楽しく読みました。神奈川…は春に谷崎潤一郎展を開催するそうで、谷崎没後50年である今年は谷崎イヤーになるのでしょうか。昨年、北海道文学館長に就任した池澤夏樹氏も就任のコメントで(昨年の北海道文学館報による)谷崎展に意欲を示していました。少し前に届いた「日本近代文学館」263も、宮田毬栄氏の「「海」の終わりの時」を、時代の証言として興味深く読みました。また、これはまだ読んでいませんが、最近送られてきた「世田谷文学館ニュース」59には、「館長の作家対談」コーナーで、角田光代氏と菅野館長の面白そうな対談が4ページにわたり、掲載されています。館によって、その編集にも個性が出ていますし、報告的内容、未発表資料の紹介、これからの事業のお知らせなどのほか、読み物として独立して楽しめるそうしたエッセイもふんだんに盛り込まれていて、私は、書物や雑誌や新聞などを読むのと同様、全国各地から送られてくるこうした館だよりを、ごく自然に、楽しんで読んでいます。少し前に届いた「茂吉記念館だより」17なども、内容の濃い論考やエッセイが毎号載っていて、館の意識の高さを感じさせます。