『大原富枝の世界』
昨日、『大原富枝の世界』(平成25年5月、本山町教育委員会)が届きました。高知県本山町にある大原富枝文学館の決定版図録といっていいA4判176ページの立派なもの。「大原富枝の世界」編集委員会による労作。本山町は人口4千人足らずの町とのこと。ここには大原富枝氏の「魂の軌跡」が、本山町での生誕から東京都内の病院での死まで、編年順に、カラー・モノクロ図版多数によって丁寧に辿られています。中村稔、高橋英夫氏ら5人の文章や大原富枝作品一覧、略年譜なども収録。大原富枝短歌一覧というのもあって、興味をそそられました。大原さんは、軽井沢・千ヶ滝に夏の仕事場をもたれ、そこでの写真も何枚も収められていました。私は、大原さんとはそれほど行き来があったわけではありませんが、この図録を眺めていて、いつか、大原さんが三岸節子さんの親族の方と文庫にこられ、入口までのゆるやかな上り坂を上がってこられるや、この年になるとこれくらいの坂でも少しつらくなりますね、と笑顔でおっしゃったのを思い出しました。「お化けに逢えた頃」というとても面白い随筆を文庫通信に書いてくださったのは、その前後だったような気がします。