小澤征爾氏
食道がんの手術後、肺炎を起こし、昨年夏に2年ぶりにサイトウ・キネン・フェスティバル松本でようやく復活を果たした指揮者小澤征爾氏が初めて、自らの越し方を語っています(日経「私の履歴書」2014.1.1~)。満州生まれ。父は歯医者。「征爾」の名は、当時、満州青年連盟長春支部長を務めていた父が目をかけられていた、関東軍作戦参謀の石原莞爾と板垣征四郎の二人の名前から一字ずつもらい、つけられたとのこと。子供の頃は書けなくてよく「征雨」と間違えたといいます。満州生まれの人には安部公房、武満徹など、のちに独自の世界を切り拓いた人が多いですが、小澤さんもその一人でしょう。兄上小澤俊夫氏はグリム童話研究で著名であり、口承文芸の世界で長年、尽力されてきた方。また俊夫氏は昨年、半世紀以上、他に秘した封印を解き、民俗学者柳田國男から日本の昔話を大事にして下さいと学生時代にじかに言われたと、ある文章に書かれていて、私は強く印象に残っています。