片山廣子愛用の椅子、鏡台を寄贈いただきました
きのう、軽井沢新聞の広川小夜子編集長から電話をいただき、旧片山廣子別荘にある椅子を高原文庫でいただきませんか、とのこと。ぜひほしいです、堀辰雄山荘に飾りますと、愛宕山下の片山別荘にすぐにうかがいました。現在の所有者浦本さんご夫妻に初めてお目にかかりました。温厚そうな上品なご夫妻。その場には文芸評論家吉村祐美さん、作家の桐山秀樹さん、そしてカメラマンも。そして竹の椅子一つと、鏡台を文庫に寄贈いただきました。竹のみで作られた椅子はきわめて稀少。鏡台も歌人片山廣子が使ったものと思えば非常に貴重。この別荘は浦本さんの奥様のお姉様、吉尾房子さん(画家)が所有していたものだそう。部屋には房子さんの作品がたくさん掛けてありました。元来、米人宣教師ウインが所有。1931年(昭和6)に片山廣子がウインから購入、長く使用。その後1955年(昭和30)大田黒鈴子(大田黒元雄息女)に譲渡され、のち吉尾さんの所有に。お話では1893年(明治26)の建築かもしれないとのこと。とすれば築120年。内部も1階2階を見せていただきました。20畳ほどの広いリビングの壁、天井がすべて白く塗られ、モダンな雰囲気。角にかわいらしい暖炉がありました。玄関がなく、L字形のベランダから出入りするのは堀辰雄山荘と同じ。2階は3部屋。2階の寝室に洗面台が付いているのが目をひきました。外観からは想像もつかない1階リビングの明るさ。1階に畳の部屋もひとつ、ありました。長年、大事に使っておられる様子が伝わってきました。ここで片山廣子が短歌をつくり、英国の推理小説を読み、堀辰雄が泊まったこともあるなどと、私はひとり、想いをはせました。