片岡鉄平特集 日本近代文学館年誌
最近、『日本近代文学館年誌 資料探索8』が届き、後半部の片岡鉄平追悼文集や片岡鉄平関係書簡をとくに興味深く読みました。これまであまり陽の目を見ていないと思われる作家片岡鉄平の人物像について、これは画期的な基礎資料を提供していると言えるのではないでしょうか。生島遼一、河盛好蔵、岸田國士氏らの追憶、追想文を順に読みながら、そう思いました。娘の藍子さんへの愛に溢れた書簡はなんともストレート。横光利一、川端康成とともに新感覚派をスタートさせ、のちプロレタリア文学に移行、戦中に50歳で病死した片岡鉄平。なお、私はかつて川端康成夫人、堀辰雄夫人から、片岡鉄平が戦前、旧軽井沢で夏を過ごした時期があることをうかがったことがあります。また岸田衿子さんからは片岡藍子さんの名前を時折、聞かされていましたので、一度も会ったことのない片岡鉄平という人物について、なんとなく懐かしい気がするのです。