『失われた時を求めて』(続) | 軽井沢高原文庫

『失われた時を求めて』(続)

プルースト『失われた時を求めて』2(鈴木道彦訳)を読了。大部分を占める「スワンの恋」は、パリでのスワンとオデットとの恋が、語り手の「私」によって語られます。19世紀末のパリでのブルジョワ階級のサロンの様子が、手に取るように、詳細に、長いセンテンスで描かれてゆきます。ブルジョワ階級が入ってゆけない貴族階級のサロンもほのめかされ、ヴァントゥイユの小楽章、ブーローニュの森の散策、フェルメールの研究者としてのスワンなど、具体的エレメントが作品の各所に鏤められています。それにしても、外部からの一切を遮断し、コルク部屋でこの作品を書き続けたというプルーストを想像すると、不思議な気持ちになってきます。