増えるドイツの「オープンな本棚」
信濃毎日新聞2012.5.28に載った小野フェラー雅美さんの国際通信が目にとまりました。ドイツでは今、町の中心街の歩道上や中央広場などに本が満載された「オープンな本棚」が増え始めているというのです。路上に本棚というのが私は面白く思いました。写真を見ると、本棚の側面にゲーテに関する催しのポスターなどが貼られていて、そちらも興味をひかれます。事の起こりは1991年にボンで2人の芸術家がパーフォーマンスとして行った「無料青空図書館」が始まりで、現在のような「オープンな本棚」は90年代終わりにダルムシュタットとハノーバーに置かれたのが最初だそう。読み終 えた本を捨てるかわりにこの本棚に入れ、逆に興味があれば自由に持って行っていいですよ、という自由な本の交換や提供をする仕組み。それでは本棚は誰が提供するか。市民財団などが作った150ほどの詳細なリストを見ると、小野さんの住む市の場合、ロートさんという葬儀屋さんだったとか。玄武岩とスチールと安全ガラスからできていて、地元芸術家によるデザイン。ボン市内の8カ所の本棚は姉妹都市オックスフォード市から寄贈された赤い公衆電話ボックスの中に市民グループが出資して書棚を組み入れたとのこと。本棚から本を集めて古書店に売るという例もかつてはあったようですが、注意するとそれもなくなったとのこと。利用者の良心への信頼が前提になっているこの事例、日本にも根付き、広がるといいナアと思いました。