北杜夫『茂吉晩年』
北杜夫『茂吉晩年』を残すところ10ページあまりで読み終えます。四部作の最終巻。だんだんページをめくるのも惜しくなっています。この巻は、茂吉の山形疎開の昭和20年3月から、28年2月の死まで、歌集「白き山」「つきかげ」時代(一部「小園」含む)を扱っています。前半部分の大石田での茂吉は、周囲の人に支えられながら本当にのびのびと日々を楽しんでいる様子が伝わってきます。茂吉自身、第二の故郷と呼んだ山形・大石田であり、「白き山」の頃。後半、帰京後のしだいに衰弱してゆく茂吉は、読んでいて痛々しいくらいです。それにしても、実父の人生と歌に初めて真摯に向き合ったこの四部作は、やは り、大変な労作と思いました。