バスケットボールは「ハビットスポーツ」。
「ハビットスポーツ」とは、反復練習によって身についたプレーをしていく
スポーツのことである。
東芝の戦いぶりはまさにその言葉を体現していたかのようだ。
秀でたスタッツを持つ選手がいるわけではない。
それでも、勝つのには東芝のチームとしての緻密さが習慣づけられて
いるからだろう。
○東芝ブレイブサンダース 79-54 レラカムイ北海道 ●
<スターティングメンバー>
○東芝ブレイブサンダース
♯0 石崎巧、♯6 宋燕忻、♯13 菊地祥平、♯20 加々美裕也、
♯33 コーリー・バイオレット
●レラカムイ北海道
♯1 野口大介、♯8 山田大治、♯9 折茂武彦、♯11 桜井良太、
♯13 クリスチャン・マラカー
◆ディフェンスの東芝
東芝の勝ちパターンは相手をロースコアに持っていくことである。
この試合でも、レラカムイは54得点に抑えた。
JBL8チーム共に、12試合を消化して東芝の総失点は838得点と
リーグ最少失点である。
ディフェンスというと、リバウンドの数に目が行くが、総リバウンドの数は
東芝が45、レラカムイが41とそんなに大差はない。
差が出たのはスティールの数である。
東芝が10に対し、レラカムイは1。
常にボールを奪う東芝の姿勢が、見てうかがえる。
象徴的なシーンが試合開始直後にあった。
開始9秒で東芝♯13 菊地がスティールし、そのままレイアップ。
そのわずか6秒後、まるで再現VTRを見るかのように同じく
菊地がスティールからレイアップ。
同じシチュエーションで連続してスティールされるレラカムイも緩慢すぎる
のだが、一瞬の隙を見計らってボールを奪うことを常に意識している証拠
だろう。
◆相手の長所を消す
東芝が相手をロースコアに持っていく要因として、相手の長所を
消すというのもある。
レラカムイの今シーズンのスローガンは「RUN」。
PG ♯11 桜井のスピードを生かした展開に持っていきたい。
しかし、東芝はそれをさせなかった。
うまく、パスコースを消し、桜井のドライブも防いだ。
レラカムイの得点源である、♯9 折茂を簡単にフリーにさせず、
フィールドゴール率を25%に抑えた。
また、コンスタントに2桁得点が期待できる3Pシューター♯16 KJ松井にも
楽な状況でボールを持たせないようにし、0得点に封じ込めた。
◆全員バスケの東芝
東芝の中心といえば、ゴールデンエージの中心選手でもあるガードコンビ
♯0 石崎と♯13 菊地である。
その気になれば、二人でチーム得点の半分くらいは取ってしまう攻撃力を
持っている。
しかし、田中輝明HCが彼らに求めているものは違うものであった。
今シーズン、石崎と菊地には周りを使うことを望んでいると話す。
菊地には状況判断の向上を、石崎には自らの3Pシュート以上にアシストを
意識づけしている。
確かに大勝したこの試合でも、石崎が9P、菊地が7Pと二人のスタッツは
目立っていない。
中心となって得点に絡んだのは、インサイドの二人♯33 コーリー・バイオレット
(18得点)と♯17 桑原(17得点)であった。
ガードコンビの攻撃力に頼ることなく、インサイドからでもアウトサイドからでも
得点が取れるというのは今年の東芝の強みとなっていくだろう。
全員バスケをしているからこそ、リーグで突出したスタッツを残している
選手はいない。
緻密なバスケットを展開した東芝の前で、ターンオーバー17を記録してしまった
レラカムイは今後が心配だ。
良い選手は揃っている。チームとして連携を深めていくしかない。
シーズンはまだ始まったばかり。
チームを向上させていけるかどうか、東野HCの正念場は続く。


♯13 菊地 




