往路機内で読んだ一冊。
ハードカバーだし、重いし、難しい本かな〜と思っていたのだけど、
読み始めたら、意外に読みやすかった。
訳文が分かりやすいというのもポイント。
さて、本の内容と言えば、
レオナルド・ダ・ヴィンチと、弟子のジャン・ジャコモ・カプロッティ(通称サライ)、
名画「モナ・リザ」が生まれるまでの物語。
さて、本の内容と言えば、
レオナルド・ダ・ヴィンチと、弟子のジャン・ジャコモ・カプロッティ(通称サライ)、
名画「モナ・リザ」が生まれるまでの物語。
既に世の中の名声を得ていた天才、ダ・ヴィンチが何故、
当時10歳の盗っ人、嘘つきサライを弟子として自分の傍らに置き、
サライの家族の金の世話をし、
最期は自らの遺産までサライに遺したのか、
一説には、ダ・ヴィンチが同性愛者であり、
美しい青年サライがその対象であったと言われるが、
この物語においては、そう言った描写は殆ど描かれず、
この物語においては、そう言った描写は殆ど描かれず、
純粋に天才たる所以のダ・ヴィンチの苦労(苦悩)
がサライの奔放さ、
がサライの奔放さ、
細やかな機転とセンスによって解消、解決されてきたことが伺える。
もう1人重要な登場人物が、ミラノ公妃ベアトリーチェ。
もう1人重要な登場人物が、ミラノ公妃ベアトリーチェ。
ミラノ公ルドヴィーコ・スフォルツァ(後年ダ・ヴィンチに
「最後の晩餐」の作成を依頼)に嫁ぎ、
その容姿ゆえの苦労を抱えながら、
自ら容姿カバーする才能を持って自らの人生を切り開き、
華やかな人生と短い生涯を終えた女性。
ベアトリーチェとの出会いが、
さらにサライとダ・ヴィンチとの結びつきをより濃いものとしていった。
生前、ベアトリーチェは決してダ・ヴィンチが肖像画
生前、ベアトリーチェは決してダ・ヴィンチが肖像画
を描くことを望まなかった。
一方のベアトリーチェの美しき姉、イタリア史上有名な女性の1人である
才女イザベラ・デステはダ・ヴィンチにいたく執着しており、
その権力と美貌をもって肖像画を描くよう何度も求める。
ところが、ダ・ヴィンチが描いたのは素描。
ダ・ヴィンチとサライのイザベラ・デステに対する扱いの描写などは、痛快で笑える。
ダ・ヴィンチが描いた数少ない油彩による肖像画
「モナ・リザ」と並んで有名な作品である
「白貂を抱く貴婦人」のモデルとなったのも、
同時代の女性で、このベアトリーチェの夫であった
ルドヴィーコ・スフォルツァ の愛妾、
チェチーリア・ガッレラーニいう事実がまた面白い。
イザベラ・デステからしたら、なんで私を描いてくれないのよ⁉️
だったかも知れないですね。
「モナ・リザ」の実際のモデルは、ベアトリーチェに生き写しの
フィレンツェの裕福な商人の妻、リザ・デル・ジョコンダ。
作品として描かれたのち、しばらくはダ・ヴィンチは持ち歩いていたと
言われているが、
ダ・ヴィンチがベアトリーチェに特別な感情を抱いていたのではない。
ベアトリーチェによって、サライは天才である
ベアトリーチェによって、サライは天才である
ダ・ヴィンチが天才で在るために何が大切かを知った。
そのことへのダ・ヴィンチ尊敬の念が、ダ・ヴィンチが「モナ・リザ」を描いた真実である。