立派な決算報告資料だが見ていて違和感があった。

 

1.中期経営計画の進捗についての説明がものすごく丁寧なのに、2025年3月期の目標修正についての説明がほとんどない

 

 

2.中間配当/期末配当を10円/18円(うち2円は記念配当)の計28円、から16円/16円の計32円で4円増配としている

 

→32円を目標とするならば、期末が減配にならないように12円/20円や14円/18円にするのが普通では?

 別に中間/期末の配当は同額にしないといけない、というルールはない。

 

私は今期の配当が16円/20円の計36円だと考えていた。従来の会社説明(数値ではなくグラフからの読み値だが)が36円だからだで、バランスよく増配するならそうなるはず。その上で中間の16円は当たっている。

 

ここからは推測だが、実は資料作成した人は目標を達成できる自信を持っているが、経営陣は前期が目標未達だったから今期は確実に達成できる目標に変更したのではないだろうか。そうであれば目標変更の説明のしようがないので資料の通りになるだろう。

中期経営計画が出る以前の古い美濃窯業は低い目標設定→上方修正、をよくやっていた印象がある。

 

私の予想は1Qに期ずれのプラント案件が計上されて配当16円の水準を余裕でクリア。期末で当初目標を達成し、上方修正して2~4円の増配だ。

さてどうなるか楽しみだ。

 

美濃窯業がついに東証に上場した。その理由は開示資料に記載されている。

https://www.mino-ceramic.co.jp/cms/wp-content/uploads/2024/03/871a50861af93a131ecae0c475c513f7.pdf

内容は極めて妥当と感じたが、では名証はなんのために存在しているのだろうか?

私のような割安株への投資をする人のために存在している??

 

これまでの美濃窯業を見る限り、急いで東証上場したのではなくベストな時期を選んたように思われる。そう感じるだけかもしれないが、わざわざ悪いニュースが出る時期に東証上場する必要はないからだ。

 

では良いニュースは何か?

1.年度末の記念増配

https://www.mino-ceramic.co.jp/cms/wp-content/uploads/2024/03/e716067b7e08b9a201980bcf46ff8c7f.pdf

これは一時的なものであり、ベストな時期とは無関係だ。

 

2.来年度の業績見込み、及び、配当

https://www.mino-ceramic.co.jp/cms/wp-content/uploads/2023/09/8ebd9a74cf0a5de0c179e1f463be5227.pdf

資料の末尾にある中期経営計画を達成したならば来期は売上高営業利益率が10.7%、年間配当が36円という水準になる。

 

業績改善に自信があり、好材料が出るタイミングで東証に上場して一気に株価を上げる目論見だろうか?

 

 

2Qで盛り返したのが大きい。来年以降も引き続き期待。

 

決算説明資料があって驚いた。別の会社に生まれ変わりつつあるのを感じる。

 

分析結果もわかりやすい。耐火物の価格転嫁も進んでいる。

来期以降は省エネ焼成炉が業績に貢献するのだろう。

 

 

5年後、10年後がますます楽しみになってきた。

 

名証IRエキスポの資料のトピックは

 

1.次世代省エネルギー型工業炉の効果を実証(社内検証)

2.24年度は不調で配当は25円維持だが、25年度は成長を見込んで36円予想

 

https://www.mino-ceramic.co.jp/cms/wp-content/uploads/2023/09/8ebd9a74cf0a5de0c179e1f463be5227.pdf

 

省エネルギー型工業炉に使う高機能断熱煉瓦の製造設備(凍結乾燥機)を山岡工場で立上げ中とのこと。

 

ようやくここまで来たが、劇的な省エネルギー効果が様々な顧客で実証され、鉄鋼業など幅広い分野まで使用される、というのはまだ先だろう。

 

といっても5年後には成果が見えて欲しい・・・。その頃には炭化ホウ素の用途開拓も進んでいるだろうか?