2026年は本日から始まりました。
明けましておめでとうございます。

本年が、多くの人にとって幸せを実感できる一年となることを願っております。
また、2026年は丙午の年でもあります。
他人や環境に過度に依存するのではなく、自ら考え、自ら行動する「自力本願」の意識改革が広がる年となることを、心より祈念いたします。

 

世界の平均寿命ランキングと幸福度ランキングを比較すると、日本社会の特徴が明確に浮かび上がる。日本は平均寿命84.041歳で世界6位に位置しており、医療水準、公衆衛生、食生活、社会インフラが世界最高水準にあることを示している。日本は「生きること」を支える仕組みにおいて、極めて優れた社会であると言える。

 

一方で、世界幸福度ランキングにおいて日本は55位と中位以下にとどまっている。この順位は、日本の経済規模、教育水準、治安の良さを考慮すると、決して高いとは言えない。すなわち、日本では長く生きることはできるものの、強い幸福感を実感している人の割合は高くないという現実が存在している。

 

この二つの指標を重ねて見ると、日本では「長寿」と「幸福」が必ずしも結びついていないことが分かる。平均寿命と幸福度の両方で上位に位置する北欧諸国と比較すると、日本は命を守り、延ばす制度には強い一方で、生活の充実感や主観的な幸福感を高める仕組みが十分に整っていないことがうかがえる。

 

こうした状況を踏まえると、日本の幸福度ランキングを引き上げるために最も効果的な改善策は、健康長寿を実現し、その結果として高齢者の社会参加を高めることにあると考えられる。

単に平均寿命を延ばすだけでは幸福感は高まらない。重要なのは、心身ともに健康な状態を保ち、自分の意思で行動し、社会との関わりを持ちながら生活できているかどうかである。健康長寿とは、長く生きることそのものではなく、生活の質を維持しながら主体的に生き続けられる状態を指す。

 

しかし現実には、75歳以上の高齢者の約8割が生活習慣病を抱えているとされており、多くの高齢者が何らかの疾病管理を必要としながら生活している。この状況では、従来の「治療中心・延命中心」の医療だけでは、高齢者の自立や社会参加を十分に支えることは難しい

 

幸福度ランキングが高い国々を見ると、高齢者であっても就労、ボランティア、地域活動、学び直しなどを通じて社会参加が促されている。その結果、「年齢に関係なく社会の一員である」という実感を持ちやすい環境が整っている。こうした社会参加は、自己肯定感や生きがい、他者とのつながりを生み出し、主観的な幸福感を大きく高めている

 

一方、日本では高齢になると、健康状態に問題がなくても社会との距離が広がりやすく、「支えられる側」に回ることが前提となりがちである。この構造は、高齢者自身の幸福感を下げるだけでなく、社会全体の活力を弱める要因ともなっている。

 

そのため、医療や介護の目的を、単なる延命や疾病管理にとどめるのではなく、生活習慣病を抱えていても社会参加を可能にするための健康維持・回復へと明確に位置づけ直すことが重要である。運動、予防、生活機能の維持といった取り組みを通じて、高齢者が自立し、役割を持ち続けられる社会を実現することが、幸福度の向上につながる。

 

健康長寿と社会参加は切り離せない関係にあり、この二つを同時に高めていくことこそが、日本の幸福度ランキングを改善するための、最も現実的で持続可能な方策であると言える。