1人当たりの年間平均給与額が、30年近くほとんど上昇していないのは事実である。
なぜ、賃金は上がらないのかを冷静に考えてみましょう。
日経平均株価は、1989年12月29日の大納会に、終値の最高値38,915円87銭をつけたのをピークに翌1990年1月から暴落に転じ、湾岸危機と原油価格高騰や公定歩合の急激な引き上げが起こった、1990年10月1日には一時20,000円割れと、わずか9か月あまりの間に半値近い水準にまで暴落した。
1993年(平成5年)末には、日本の株式価値総額は、1989年末の株価の59%にまで減少した。
バブル経済時代に土地を担保に行われた融資は、地価の下落により、担保価値が融資額を下回る担保割れの状態に陥った。
また各事業会社の収益は、未曾有の不景気で大きく低下した。
こうして、銀行が大量に抱え込むことになった不良債権は銀行経営を悪化させ、大きなツケとして1990年代に残された。
バブル崩壊後、日経平均株価の下落を時系列で見てみた。
1989年12月29日 38,915円
1992年07月31日 15,910円
1995年06月30日 14,517円
2003年03月31日 7,972円
2009年01月30日 7,994円
2012年01月31日 8,802円
失われた二十年とは1990年代初頭のバブル経済崩壊以降、日本の経済成長が停滞したおよそ20年間をさす。
六大都市平均の地価はピーク時の4分の1以下に下落した。
株式時価総額が400兆円弱、不動産は1100兆円以上毀損したと試算されている。
不良債権を処理するために浪費したこの二十年の間に日本の国際的競争力はなくなった。
アベノミクスは2013年から20年8月まで長期間,首相を務めた安倍晋三氏の内閣が採用してきた経済政策で、異次元金融緩和,機動的な財政政策,企業投資を喚起する成長戦略の3本の矢を武器に,日本経済をデフレから脱却させ,物価上昇率2%を伴う長期的な安定成長軌道に乗せていくことを目指した。
日経平均株価を調べると
2013年07月31日 13,668円
2017年09月29日 20,356円
2020年06月30日 22,288円
2021年09月30日 29,452円
確かにアベノミクスはこのように株価を上昇させ、企業に投資できる環境を与えた。
しかし、副作用として国の借金が想像以上に膨れ上がった。
また、アベノミクスの恩恵を受けた日本企業が社会イノベーションを起こすような成果を出なかった。
歳出に占める社会保障給付費の推移を見てみると毎年これだけの巨額が高齢化社会というブラックホールの中に吸い込まれていっている。
どうやれば、子供や若者に投資できるのか、企業が賃金を上げることができるのか?
高齢者に向けている社会保障給付費を削減し、その浮いた分を賃上げに向けたり、子供や若者に投資することである。
(結論)年間平均給与額は、30年近く上昇していない理由は次の通りである。
①1985年9月22日、G5が、為替相場の円高・ドル安誘導で一致した。それで急激な円高で日本はバブルが起きた。また製造工場を海外に移転し、技術・知財を盗まれた。
②バブル崩壊後、銀行も企業も不良債権処理に長期間、追われた。
③低迷した日本経済を立て直すためのアベノミクスは正しかったが大企業が保守化し(2010年の大企業の内部保留金が266兆円、2022年のそれが505兆円)、新規事業開拓に投資してこなかった。
④失われた30年の間に日本は超少子高齢化社会になり、社会保障給付費の増大により、身動きできなくなった。
政府は赤字国債を乱発し、国民にお金をばらまいているがその前に知恵を使ったほうが得策である。
政府は企業に賃金を上げろと迫っているが単純に給与を上げるだけで財政再建や日本再生が可能になるだろうか?