1. 赤字経営が急増している

日本医師会が実施した「診療所の緊急経営調査(令和7年)」によると、クリニック(診療所)の経営は前年度から大幅に悪化ています。
医療法人立のクリニックでは、2024年度の経業利益・経常利益の赤字割合が約4割前後に達していることが明らかになっています。 

 医業利益赤字:45%前後、経常利益赤字:約39%という厳しい水準です。
また、回答した院長の 約13.8% が「廃業を検討している」 と答えています。

これは、個人開設と医療法人の診療所の双方で経営状況が悪化していることを示しています。

 

 

2. なぜクリニック経営は厳しいのか

クリニック経営が苦しくなっている背景には、いくつかの要因があります:

🔹 物価高・人件費の上昇

人件費や材料費、光熱費の上昇が続き、収益構造を圧迫しています
多くのクリニックで人件費や医薬品費が増加しており、経常利益率が大きく低下しています。

🔹 診療報酬の伸び悩み

保険診療中心の収入では、診療報酬の増加が物価上昇やコスト増をカバーしきれず、収益が追いつかない構図になっています。

🔹 患者数の減少・競争激化

人口減少や他クリニック・大病院・専門施設との競争により、従来の「かかりつけ医」需要だけでは患者数が減少する傾向があります。

🔹 コロナ特例の終了

新型コロナウイルス対応での補助金や特例措置が廃止されたことが、収益悪化に直接影響しています。

 

 3. 経営破綻・撤退のリスクも現実化

クリニックだけでなく、小規模な医療機関全体で破産・撤退の動きも増えています。

帝国データバンクによると、2025年前半に35件の医療機関が倒産し、そのうちクリニックも含まれています。
これは前年同期比で増加傾向であり、クリニック経営の脆弱さが数字として現れていると見られています。

 

4. 経営改善に向けた取り組みも広がる

クリニックの経営が厳しいとはいえ、改善の余地・取り組み例も指摘されています。

✔ デジタル化・効率化
電子カルテの導入やWEB予約・キャッシュレス対応など、業務効率化を進めることで人件費・時間コストを削減する動きが見られます。

✔ 地域密着型サービス
在宅医療や地域連携を強化することで、患者の囲い込みや安定した収入の確保を目指す経営モデルも増えています。

 

5. まとめ:クリニック経営は「かつてない厳しさ」

まとめると、2024〜2025年度のクリニック経営は

  • 約4割前後が赤字
  • 経営収支は前年度より悪化
  • 廃業・撤退の懸念も増加
  • コスト上昇と収益低迷が主因
    という、非常に厳しい状況です。

このまま放置すれば、地域の身近な医療機関が減少するリスクもあり、
診療報酬改定や補助金政策による支援策が強く求められています。