今回の東北帰省旅、

秋田のスーパー至るところで見掛けた「末廣ラーメン本舗」のカップ麺。

その昔、山王本店まで徒歩2分の距離に住んでいたこの身からすれば、コレは有り難いデビューだと思う。






スープは真っ黒。

しかし富山ブラックとは違い、しょっぱくはない。

富山ブラックは一度だけ金沢市内の店で食べたことがあるが、余りにもしょっぱ過ぎてライスが無料サービスというのも頷ける話だと思った。

秋田のこちらは京都の名店「新福菜館」の暖簾分けなので、当時の秋田市内では馴染みの無い味付けだったがすぐに市民から受け入れられた。






駐車場は無い秋田市役所の道路を挟んだ真横。

しかし店は24時間営業だし、

秋田市役所の駐車場を勝手に使えるということもあり、お客は次から次へとやって来る。

24時間営業の山岡家が進出してくる遥か前から、秋田市の官庁街のど真ん中にオープンしたら、そりゃ飲み屋流れの酔っ払いだけではなく、

ふとラーメンが食べたくなった思いつきの人間にだって走って行けるのだ。

ある意味、山岡家が秋田市仁井田に店をオープンしたのは誤りだったと思う。

スマンが、秋田市中心部に住んでいる我々は秋田市仁井田まで走らないもの。

だから山岡家の2店舗目が秋田市将軍野にオープンしたのは正解だったと思う。






末廣ラーメン本舗は秋田駅前にも支店を出したが、ワタクシは駅前で飲んだ時しか行かない。

やはり駐車場の無い秋田駅前では、客層は絞られてしまうのだ。

路駐してキップを切られるなんざ、御免被る。

まあ支店をどんどん増やして(岩手県)盛岡市でも(宮城県)仙台市でも人気店として認知されたのは良いが、山王本店が24時間営業でなくなったことはマイナスでしか無い。

昼のみの営業なら、同じ土俵の上の競合店は多いのだ。

24時間営業だったからこそ、午後8時から午前7時くらいまでは寡占していたと思う。

その差別化を忘れてしまったら、山王本店の売上も頭打ちにはなるだろう。






このカップ麺を初めて食べてみたが、限りなく本物に近付けようとしているのだけは分かる。

ただ、本物には到底敵わないのだ。

麺の太さも本物とは全然違う。

輪切りの長ネギも生ではないし、好きなだけ入れられる店舗とは大違い。

ましてやあの店の超薄切りのチャーシューの多さも、カップ麺には1枚しか入っていない。

スープだけが、かろうじて本物に近め…といえるかな。

ちなみにこの店のラーメンには、レンゲ1杯分の白い魔法の粉が入る。

だからこそカップ麺としての再現度に関して言えば、スープだけが本物に近いと思えるのだ。






見た目は真っ黒なスープ。

しかし、実際のテイストは甘みが感じられる味。

見た目で捉えられた脳の判断はしょっぱいのに、

舌が感じ取った味への脳の判断は甘み。

これは不思議なのだ。

カップ麺も悪くはないが、本物はとても良い。






まあ、カップ麺で再現出来るところはキチンとやっていると思うが、本物はこんなもんでは無い。

本当にワタクシの口には合っている、美味い一杯。

ただ…24時間営業でなくなったことだけが残念でならない。






うちの奥さんの仕事は釧路最古の手作り弁当屋。

かつ丼や親子丼に使うつゆも鰹節から取る、名実共に「手作りの弁当屋」だ。

食品問屋から取り寄せた揚げ物をただフライヤーに放り込むような、そんな勤務1日目の新人でも出来るような仕事はしていないし、そもそも仕入れ原価の掛かる仕事もしていない。

手作りは、手間は掛かるが原価率は極めて低く抑えられる。

だから、そういう仕事を日々しているうちの奥さんの舌に、この店の味は合わない。

出汁感が無いからだ。




まあ、合う合わないは人それぞれ。

ワタクシには合うし、うちの奥さんには合わなかった。

ただそれだけの話しさね♪



ちなみに2011年か2012年に、当時秋田県内に在ったコンビニ「サークルkサンクス」(現ファミマ)では秋田のラーメン屋が結集して作った納豆ラーメンのカップ麺を販売していた。

自分の経験上、カップ麺化されたものの本物には到底至らない商品が多い中、

あの納豆ラーメンだけは素晴らしく美味かった!!

個人的にはアレの再販を強く望む。

ファミマよ、その重い腰を上げてくれないだろうか。