* 富田渓仙帰去来図　大正末期作 *

アンティークモール銀座　B１階　に、古がん堂（こがんどう）東京店がございます。

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古がん堂（こがんどう）　

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　本日はヤフーオークションに出品中の商品の中からご紹介します。

『　　　富田渓仙帰去来図　大正末期作　　』

陶淵明の「帰去来の辞」を題材にした作品。
書は四段からなる詩の一段目、官を辞して家に帰る決意を述べ、はやる心で帰路に赴く様子が賛に書かれ、絵のほうは詩の二段目、彭沢から長江を船で遡って故郷の柴桑まで帰り、家人に迎えられる喜びの場面が渓仙独特の活き活きとした筆致で描かれています。
画と賛とのコラボレーションが陶淵明という約1600年前の人物に起きた出来事をドラマティックに甦らせてくれている、冨田渓仙の名作です。

≪ 読み・訳 ≫

歸去來兮　　　　　　　　帰去来兮（かえりなんいざ）
田園將蕪胡不歸　　　田園将に蕪（あ）れなんとす　胡（なん）ぞ帰らざる
既自以心爲形役　　　既に自らの心を以て形の役と為す
奚惆悵而獨悲　　　　奚（いずく）んぞ惆悵（ちゅうちょう）として独り悲しむ
悟已往之不諫　　　　已往（いおう）の諫めざるを悟り
知來者之可追　　　　来る者の追うべきを知る
實迷途其未遠　　　　実に途（みち）に迷うこと其れ未だ遠からず
覺今是而昨非　　　　今は是にして昨（さく）の非なるを覚る
舟遙遙以輕　　　　　舟は遙々として以て軽く
風飄飄而吹衣　　　　風は飄々として衣を吹く
問征夫以前路　　　　征夫（せいふ）に問うに前路を以ってし
恨晨光之熹微　　　　晨光の熹微なるを恨む

いざ、故郷へ帰ろう！！
故郷の田園が今まさに荒れようとしているのに、どうして帰らずにいられるのだ！
これまで生活のために必死に働き自らの心を犠牲にしてきたのに、
どうしてそれを独りで恨み嘆いて悲しみに暮れないといけないのか。
過去の誤ちを悔いてもしても仕方ないことを悟り、
これからの私の行く道を考えよう。
道には少し迷ったかも知れないが、大きく外れたわけではない、
今の自分が正しく、昨日までが間違っていた事にもう気づいている。
故郷へ向かう舟は遙々と軽やかに進み、
風が私の衣を軽やかに通り過ぎて心地好い。
気持ちばかりが急いて、船頭に道のりを尋ねてみるが、
故郷は明けきらぬ朝の薄明かりの彼方で、何とももどかしい。

冨田渓仙（とみた　けいせん）（1879-1936）

日本画家。明治12年博多生。名は鎮五郎。
都路華香に四条派を学び、のち富岡鉄斎に指導を受ける。また仙厓義梵に傾倒し、奈良・平安期の仏画を研究。人物・風景・仏画を数々発表。日本美術院同人として活躍する。
初め狩野派、四条派に学んだが、それにあきたらず、仏画、禅画、南画、更には西洋の表現主義を取り入れデフォルメの効いた自由で奔放な作風を開いた。

≪ サイズ ≫
全体)丸表装

/中廻- 緞子

幅66.3 ×縦209.0 cm

　　軸先-象牙

本紙)絹本
幅50.4 ×縦165.5 cm

≪ 状態 ≫
　美品

≪ 箱行・鑑定・付属品 ≫
　　共箱　二重箱　

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　古がん堂　大阪店　の様子です。　　