昔々は
火葬場から 昇る煙に 亡き人への想いに胸いっぱいだった。
そして
「さようなら」と消えゆく煙が見えなくなるまで
天を見上げた。
今は
近代的に 火葬場は整備されて
なんだろう
ゆらゆらと昇る魂を見送る シーンが なくなってしまった。
さきほど
Eテレで、和歌を詠む番組を久しぶりに見た。
応募作品で、火葬場にて亡くなったおじいさんの魂が煙になり昇ってゆく様を
詠った作品が選ばれていた。
その時に、参考として、と選者の先生が
源氏物語の中から
女三宮と柏木の段で
柏木が亡くなる直前に彼女への想いを詠んだ和歌を紹介…。
「いまはとて 燃えむ煙(けぶり)も むすぼほれ 絶えぬ思ひの なほや残らむ」
・・・今はもう最期というので私を荼毘する煙もくすぶって、貴女を諦めきれぬ思いが相変わらずこの世に残るのでございましょうか。・・・
これ
相手が
異性でなくとも、他人でなくとも 友人や身内への 想いに繋がるんだろうな、と
私は
二年前に突然、旅立った唯一無二の親友を想い…胸いっぱいになった。
朝いち…涙。