人工知能~良好胚盤胞選別でAIが従来法に敗北?!!・その1 | クイズで学ぶ不妊診療最前線~愛/AIなんだ

クイズで学ぶ不妊診療最前線~愛/AIなんだ

これまで着床不全やPGT-A(胚染色体解析)の問題を取り上げてきました。時代は流れ、今や人工知能が診療に取り入れられるようになってきました。この大きな変革の中で、生殖医療専門医の立場から不妊症・生殖医療全般にわたって自身悩み考えながら学習していく記録です。

タイムラプス胚培養動画を

AI学習モデルを用いて評価し

着床成功の可能性の高い胚盤胞を選別する

intelligent Data Analysis Score

 (iDAScore, Vitrolife社)について

従来のGardner Score

(4AA、3BC、、、など皆様ご存知の評価法です)

と比較した

多施設共同・二重盲検非劣性無作為比較研究

Australian New Zealand Clinical Trials Registry 

(ANZCTR) registration 379161

が出た!!! 

 

シドニーなどから 

 

問題:ANZCTR registration 379161において

iDAScore(以下i)とGardner score (以下G)を

比較した結果について正しいのは次のどちらか? 

 

1 臨床妊娠率予測においてiのGに対する非劣性(5%マージン)が示された 

 

2 臨床妊娠率予測においてiのGに対する非劣性(5%マージン)は示されなかった 

 

 

正解は↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解:2 臨床妊娠率予測においてiのGに対する非劣性(5%マージン)は示されなかった 

 

出典:Peter J Illingworth et al., Nat Med. 2024 Aug 9. doi: 10.1038/s41591-024-03166-5. 

 

42歳以下、培養第5日目で

少なくとも2個の胚盤胞が確認されたカップルが対象

 

今回の一次評価項目は臨床妊娠率であったが

最終的にiDAScore 46.5% 

vs Gardner Score 48.2%で

非劣性を示せなかった

(risk difference −1.7%; 95% confidence interval −7.7, 4.3; P = 0.62)

 

抄録にはこの結果のみ示されている 

 

Gardner Score評価群の臨床妊娠率が

思いのほか高かったと議論している 

 

ではiDAScoreはダメなのか? 

 

つづく

 

 

今日の一曲:Jackie Wilson - 

You Got Me Walking 

デトロイトのR&B/Soul王が

シカゴの名門・Brunswickで録音! 

Chi-lites のカヴァーに

ハイトーン・シャウトで切り込む!! 

もちろんEugene Recordがプロデュース!!