受精障害~精子への厳しいシゴきで顕微授精成績が改善 | クイズで学ぶ不妊診療最前線~愛/AIなんだ

クイズで学ぶ不妊診療最前線~愛/AIなんだ

これまで着床不全やPGT-A(胚染色体解析)の問題を取り上げてきました。時代は流れ、今や人工知能が診療に取り入れられるようになってきました。この大きな変革の中で、生殖医療専門医の立場から不妊症・生殖医療全般にわたって自身悩み考えながら学習していく記録です。

台北から 

 

顕微授精・低受精率(2PN率30%未満)

の既往を持つ23カップル、65周期が対象

顕微授精操作前に精子にある操作を行ったところ 

受精率が改善した 

次のうちどれか? 

 

1 精子の頭部を15回叩く 

 

2 精子の尾部を15回叩く 

 

3 精子を調整液の逆流の中で15㎝泳がせる 

 

4 精子を粘調なミネラルオイルの中で15㎝泳がせる  

 

正解は↓↓ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解 2 精子の尾部を15回叩く 

 

出典:Ching-Wen Chou et al., Sci Rep. 2024 Mar 4;14(1):5363. 

 

メカニズムはよくわかっていないが

一定の有効性があると報告され

昔ながらに行われている精子不動化操作

(業界用語でいうケツバット 

不適切にもほどがある?)

についての臨床研究報告である

 

筆者所属のラボのルーティンの5回から

15回に増やした結果

受精障害既往カップルの成績を改善したという 

 

 

今日の一曲:Ebony Ivory & Jade – 

Samson  

Jive Fiveの変名グループ

フィリー風・ディスコ・ダンサー名曲!!!

リードはEugene Pittでは無いようだ

鞭の擬音入りの珍しいサウンドで

私の耳カウントでは

合計9回尻を打たれている 

精子もつらいよ...