小特集・2.1PN胚とは?~その発生頻度 | クイズで学ぶ不妊診療最前線~愛/AIなんだ

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これまで着床不全やPGT-A(胚染色体解析)の問題を取り上げてきました。時代は流れ、今や人工知能が診療に取り入れられるようになってきました。この大きな変革の中で、生殖医療専門医の立場から不妊症・生殖医療全般にわたって自身悩み考えながら学習していく記録です。

正常受精胚の特徴のひとつとして

二前核(two pronuclei, 2PN)の出現がある

 

2PN胚の多くはひとつの精子由来の前核

とひとつの卵子由来の前核を含む

 

これに対して、三前核(three pronuclei,3PN)は

多精子受精や、極体放出不全などにより生じる

異常受精所見で

染色体異常(倍数体異常)を持つと考えられてきたが

 

PGT-Aの発展により

胚盤胞まで到達したものについては

正常染色体を持つものも

少なからずあることが明らかになった

 

3PNの一部に2.1PN(別名micro 3PN)

と呼ばれるものがある

2つの前核とは別に

もうひとつ小型の前核が観察される現象だが

研究はまだ少なくその正体は不明である

 

今回私なりに精いっぱいの2.1PNの小特集

 

 

問題:2017年に出版された

2.1PNについての最初のローマなどからの

縦断コホート研究より抜粋

この報告によると2.1PNは

顕微授精を行った卵子の何%にが発生したか?

 

1 0.07% 

2 0.21%   

3 0.35%  

4 0.49%  

5 0.70% 

 

正解は↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解 5    0.70%

 

出典:Antonio Capalbo et al., Fertil Steril. 2017 Dec;108(6):1007-1015.e3.

 

私も勤務先のラボ・スタッフから

2.1PNの報告をちょいちょい聴く

それほど珍しいことではないと考える

 

 

今日の一曲:Final Touch - I'm Ready To Give Up My Love

同じくフィラデルフィアのFinishing Touchとは名が似るが

否なるグループ

切なさの中に次へ向かおうとする姿勢を買う!