不妊症全般、流産:今や流産手術は「吸引法」が国際標準 | クイズで学ぶ不妊診療最前線~愛/AIなんだ

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これまで着床不全やPGT-A(胚染色体解析)の問題を取り上げてきました。時代は流れ、今や人工知能が診療に取り入れられるようになってきました。この大きな変革の中で、生殖医療専門医の立場から不妊症・生殖医療全般にわたって自身悩み考えながら学習していく記録です。

出典 M3com 2021年7月19日 (月)配信 産婦人科疾患その他

日本産科婦人科学会

 

日本産科婦人科学会はこのほど

厚生労働省が発出した文書

「人工妊娠中絶等手術の安全性等について」を

ホームページに掲載した。

 

WHOの人工妊娠中絶に関する政策的ガイダンスや、

国際的な動向を受けてのもの。

 

掻爬法(D&C)より安全性の高い「吸引法」が

導入されるべきとする趣旨を周知している。

 

吸引法では合併症の頻度はD&Cに比べて

1/2-1/3と少なく、手術時間も短く、

出血が少ないことが明らかになったとする根拠について言及。

 

「D&Cは吸引法より安全ではなく、女性にとって

相当程度より苦痛をもたらすものとなっている。

したがって、吸引法はD&Cを取って代わるべきである」

との姿勢を示している。

 

現在、吸引式MVA法が日本でも保険適応を得ています。

硬く鋭利な器具を使う必要が無く、術者にもメリットの大きい方法です。

 

掻爬法は子宮内腔癒着、内膜菲薄など

続発的な不妊症の原因を誘発するリスクが高く、

その後の妊娠合併症への影響も大きいことが知られています。

 

流産手術が必要になった場合には、

妊娠をお考えのすべての女性におかれましては

主治医に「吸引法」「搔爬法」いずれで行う予定か?

確認されることをお勧めします。