PGT-A、流産・不育症:染色体正常胚流産のリスク因子 | クイズで学ぶ不妊診療最前線~愛/AIなんだ

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これまで着床不全やPGT-A(胚染色体解析)の問題を取り上げてきました。時代は流れ、今や人工知能が診療に取り入れられるようになってきました。この大きな変革の中で、生殖医療専門医の立場から不妊症・生殖医療全般にわたって自身悩み考えながら学習していく記録です。

出典:Wang L et al., Genetic Testing on Products of Conception and Its Relationship With Body Mass Index.

J Assist Reprod Genet. 2020 Jun 9. doi: 10.1007/s10815-020-01849-9.

 

鄭州から。ART妊娠後に流産となった1068人の背景を調べた。

また子宮内容物の染色体解析をsingle-nucleotide polymorphism (SNP)-array法で行った。

 

・45.3% (484/1068)が染色体正常であった。

 

・染色体異常の内訳は、トリソミー66.4%, モノソミー7.2%, 部分異数性(染色体一本丸ごとではなく、一部だけがトリソミーやモノソミーとなる https://ameblo.jp/koetaro/entry-12334879015.html参照)11.6%、モザイク7.9%、多倍体4.8%、片親性ダイソミー(精子由来または卵子由来の染色体を2本ペアで持つ状態)2.1%であった。

 

・染色体正常胚で流産となったケースに限定すると、BMI 25 kg/m2以上の女性では25未満女性に比べて1.4倍流産リスクが高かった (OR = 1.424, 95% CI = 1.074-1.888, p = 0.014)

 

肥満(BMI 30 kg/m2以上) についての報告はあるが、過体重(BMI 25 kg/m2以上)も流産リスクとなるという。

 

 

今日の一曲:Earl Gaines - You've Been Good To Me 

ちょっとモダンソウル寄り。「The Lost Tapes」リリース後訃報が入ってきたのは残念だった。