出典:Leoni C et al., Human Endometrial Microbiota at Term of Normal Pregnancies.
Genes (Basel). 2019 Nov 26;10(12). pii: E971
膣は子宮に比べて細菌量が100-10000倍多いとされる。
不妊症患者さんの子宮内フローラ・サンプルを採るには、必ず細菌が沢山いる膣を経由しないといけない。
細心の注意をいくら払ったとしても、サンプルを採る際に、膣内の細菌が子宮内サンプルに混ざってしまうことは避けられない。
子宮内フローラの結果が研究ごとに異なり、解釈がかわってしまう理由はここにある。
この問題を解決するため、腹腔鏡手術や帝王切開術の際に子宮の切開創から子宮内フローラ・サンプルを採り、膣内細菌の混入を防ごうとする研究が行われている。
11/6の記事に続いて、そのような子宮内フローラ研究の報告。イタリア・バーリから。
19人の妊娠女性から予定帝王切開分娩(破水、出血症例などは除外)
の際に、切開創から生検により内膜を採取。
最近の16S rRNA V5-V6 hypervariable region のdeep metabarcoding next generation sequencing (NGS) 法によりマイクロバイオーム解析を行った。
その結果、子宮内膜には主に6つの細菌(Cutibacterium, Escherichia(大腸菌), Staphylococcus(ブドウ球菌), Acinetobacter, Streptococcus(連鎖球菌), Corynebacterium) )が検出されたそうだ。Lactobacillus(乳酸杆菌)はこの中に含まれていない。
妊娠女性の内膜(脱落膜)であり、非妊娠女性のものとは異なる可能性がある。
また、腹膜や子宮筋層経由でサンプルを採っているため、これらの組織からの混入も否定できない。
子宮内フローラ研究はそう簡単ではないが、乳酸杆菌が優位とは一概に言えない。
さらなる研究が必要である。
今日の一曲:New Edition / Candy Girl 歌手としてのキャリアを諦め、裏方に回ったモーリス・スタア。最初にあてたのがこのキッズ5人組。必聴!!