出典:Kitaya Kotaro, Nagai Yoko, Arai Wataru, Sakuraba Yoshiyuki, Ishikawa Tomomoto.
Characterization of Microbiota in Endometrial Fluid and Vaginal Secretions in Infertile Women with Repeated Implantation Failure. Mediators Inflamm 2019;4893437
Burkholderiaは日本ではほとんど話題に上がらない細菌だが、
そのいくつかは一旦感染すると大変恐ろしい菌であるようだ。
以下、国立感染症研究所のHP、Wikipediaより抜粋
鼻疽(glanders) 国立感染症研究所 病原体検出マニュアル (PDF)
Burkholderia malleiによる人獣共通感染症
法定伝染病の一つであり、対象動物は馬。
東欧、アジア、アフリカ、中東、南アフリカなどで報告される。日本での発生は報告されていない
飛沫感染および経口感染により、馬からヒト、ヒトからヒトへと伝播する。
初発症状は発熱、頭痛などであるが、重篤な敗血症性ショックを起こすこともある。
ヒトではサルファダイアジン、テトラサイクリン、セフタジジム、イミペネムなどが有効。未治療の場合、100%に近い致死率を示す。馬は治療を行わず、殺処分する。
類鼻疽 (mellioidosis)
Burkholderia pseudomalleiによる感染症。東南アジアやオーストラリアの北緯20度から南緯20度の間 の土壌中や水中に存在する。近年、北緯 20 度を超える台湾南部においても台風 の後に類鼻疽の流行が報告されている。これらの地域では雨期やモンスーン、 台風の時期、農耕期に流行が起きる。前述のように B. pseudomallei は環境中に 存在することから、主な感染経路は B. pseudomallei に汚染された土壌、粉塵、 水等の吸引や、これらによる創面の汚染である。B. pseudomallei はヒト以外の生物にも感染する。感染した動物からヒトへの感染、ヒトからヒトへの感染はご くまれである。 これまでに日本では、戦後約 10 例の感染報告がなされている
Burkholderia cepacia
日和見病原菌として呼吸器感染や血流感染などを引き起こすことがあり、囊胞性繊維症(日本人にはない病気)患者において重大な肺疾患をもたらし死因となることもある。
このように国内ではほとんど問題になっていないが、
一旦感染すると抗生剤が効きにくい菌らしい
今回、このBurkholderiaがRIF群28人中7人(25.0%)の子宮内分泌液に検出された(p = 0.032, オッズ比12.91).。腟分泌物には一例たりとも見つからなかった。また対照群にも全く見つからなかった。
では、このBurkholderiaは一部のRIF患者の子宮内に感染したのか?どうやって入ったのか?
今日の一曲:Karla Bonoff / Personally ポール・ケリーがペンを奮ったビッグ・ヒットのカヴァー。彼らしい温かみのあるサウンドを女性カントリーシンガーが好演。