体外受精・顕微授精、卵巣予備能低下:遅延スタート・アンタゴニスト法~3 | クイズで学ぶ不妊診療最前線~愛/AIなんだ

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これまで着床不全やPGT-A(胚染色体解析)の問題を取り上げてきました。時代は流れ、今や人工知能が診療に取り入れられるようになってきました。この大きな変革の中で、生殖医療専門医の立場から不妊症・生殖医療全般にわたって自身悩み考えながら学習していく記録です。

 

出典:Ashrafi M et al., Does the "delayed start" protocol with gonadotropin-releasing hormone antagonist improve the pregnancy outcome in Bologna poor responders? a randomized clinical trial. Reprod Biol Endocrinol. 2018 Dec 28;16(1):124. doi: 10.1186/s12958-018-0442-y.

 

イラン・テヘランから。ボローニャ定義にあてはまる卵巣低反応患者をエストロゲンプライミング・アンタゴニスト法と

遅延スタート・アンタゴニスト法に無作為振り分け。

 

遅延スタート・アンタゴニスト法では、エストロゲンプライミング・アンタゴニスト法に比べ、採卵数、グレード良好胚、受精率が高く/多く、ゴナドトロピン製剤投与量は少なく、調節刺激期間も短かった。採卵キャンセルも少なかった。

ただ臨床妊娠率について差は出ておらず、患者数を増やした解析が必要であろう。

 

以上から遅延スタート・アンタゴニスト法は、エストロゲンプライミング・アンタゴニスト法が無効・反応不良な患者に試みられてよい調節卵巣刺激法と云えるだろう。

 

今日の一曲:The Wooden Nickels / More Than A Friend ロスアンジェルスのVaultから正体がはっきりしないレコード。だがけだるい女性コーラスはお墨付きの内容!