着床不全・着床障害:薄い子宮内膜を克服する~その4 | クイズで学ぶ不妊診療最前線~愛/AIなんだ

クイズで学ぶ不妊診療最前線~愛/AIなんだ

これまで着床不全やPGT-A(胚染色体解析)の問題を取り上げてきました。時代は流れ、今や人工知能が診療に取り入れられるようになってきました。この大きな変革の中で、生殖医療専門医の立場から不妊症・生殖医療全般にわたって自身悩み考えながら学習していく記録です。

出典:Sher G and Fisch J, Hum Reprod2000;15:806–809. 

Check JH et al., Clin Exp Obstet Gynecol 2004;31:99–102.

 

 ・「バイアグラ(クエン酸シルデナフィル)腟座薬」

 

勃起不全治療薬として有名なバイアグラ。cyclic GMPという分子がNO依存性の勃起持続に関わっています。バイアグラはこのcyclic GMPを分解する酵素をブロックして勃起を持続させる効果を持つ。

 

内服剤のバイアグラから作成したバイアグラ膣坐薬が内膜萎縮の改善に効果があるとする最初の報告は2000年に発表された。

 

バイアグラ膣坐薬を使用した結果、子宮動脈の血流が増加し、それに伴って70%の患者で内膜も肥厚した。ちなみに慢性子宮内膜炎患者ではこのような効果は見られなかった。

 

その後の前向きランダム化比較試験では、バイアグラ膣坐薬の内膜成長作用を否定する報告もあるが、

試す価値はあるかもしれない。ただわが国では腟座薬の剤型の製品は入手不能。


経口薬は副作用が強く推奨できない。

 

今日の一曲:Jesse Davis / You Are The One サンディエゴのソウルマン。声量豊かなテナー。