体外受精・顕微授精・胚移植:タイムラプス胚観察~仏からの動向調査 | クイズで学ぶ不妊診療最前線~愛/AIなんだ

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これまで着床不全やPGT-A(胚染色体解析)の問題を取り上げてきました。時代は流れ、今や人工知能が診療に取り入れられるようになってきました。この大きな変革の中で、生殖医療専門医の立場から不妊症・生殖医療全般にわたって自身悩み考えながら学習していく記録です。

出典:Boueilh T et al., Time-lapse imaging systems in IVF laboratories: a French national survey.

J Assist Reprod Genet. 2018 Sep 6. doi: 10.1007/s10815-018-1302-6. 

 

タイムラプス胚観察の臨床的価値はまだ議論が多いが、普及は世界的に拡がっている。今回フランスから使用調査報告。

 

210の施設責任培養士にアンケート。78人が応じた(37.1%)。これは少ない。

30施設がタイムラプス胚観察システムを導入していた。

培養室の面積や大きさとタイムラプス採用の間に関連性はなかった。

 

非導入施設の最大の理由はコスト(n=24, 50%)であった。応答した培養士の73.2% (n=52)はタイムラプス胚観察システムは従来の胚形態評価法よりも優れており、培養環境を改善する(n=62, 84.9%)と回答した。

 

しかし半数は(n=39, 54.9%)エヴィデンスを欠くと返答したそうだ。

 

PGS(PGT-A)か?タイムラプスか?どちらがより良い結果をもたらしてくれるのだろう?

 

今日の一曲:B.T. Express / Time Tunnel ニューヨーク・ブルックリンの名誉グループ。マイケル・ジョーンズ(後のカシーフ)ペンのインスト・ナムバー。作風が80年代と随分異なる。