体外受精・顕微授精、流産:ART妊娠成立後の流産リスク因子 | クイズで学ぶ不妊診療最前線~愛/AIなんだ

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これまで着床不全やPGT-A(胚染色体解析)の問題を取り上げてきました。時代は流れ、今や人工知能が診療に取り入れられるようになってきました。この大きな変革の中で、生殖医療専門医の立場から不妊症・生殖医療全般にわたって自身悩み考えながら学習していく記録です。

出典:Hu L et al., Influencing factors of pregnancy loss and survival probability of clinical pregnancies conceived through assisted reproductive technology. Reprod Biol Endocrinol. 2018 Aug 7;16(1):74.

 

ART妊娠は自然妊娠より流産リスクが高いことは古くから知られている。しかしその理由は分かっていない。

この点に関して中国・南京/常州から5485胚移植周期を調査した後ろ向き研究報告があった。

 

流産は685(全体の12.5)であった。460例は初期流産(妊娠12週まで)、191例は後期流産であった。

ART妊娠後の流産リスク関連因子は以下であった。

・女性の高齢 (HR=1.31, Ptrend <0.001)

・アンタゴニスト法(ロング法に比べてHR=3.49, P <0.001)

・低刺激法(ロング法に比べてHR=1.83, P <0.001)

・凍結融解胚移植(新鮮胚移植に比べて初期流産高リスクP <0.001

・新鮮胚移植(凍結融解胚移植に比べて後期流産高リスクP <0.045

興味深い結果を含むが、後ろ向き解析のためバイアスに注意。

 

今日の一曲:Ujima / Im Not Ready アングロ・サクソン・ファイヴの前身グループ。力の抜けたコーラスが記憶に残るモダンソウル好曲。必聴!