日常生活~補足:鉄欠乏性貧血 | クイズで学ぶ不妊診療最前線~愛/AIなんだ

クイズで学ぶ不妊診療最前線~愛/AIなんだ

これまで着床不全やPGT-A(胚染色体解析)の問題を取り上げてきました。時代は流れ、今や人工知能が診療に取り入れられるようになってきました。この大きな変革の中で、生殖医療専門医の立場から不妊症・生殖医療全般にわたって自身悩み考えながら学習していく記録です。

出典:Gebreegziabher T, Stoecker BJ. Iron deficiency was not the major cause of anemia in rural women of reproductive age in Sidama zone, southern Ethiopia: A cross-sectional study. PLoS One. 2017;12:e0184742. 

 

貧血は男性よりも女性に多い。定期的に月経で血液を失う閉経前女性では、貧血の大部分は鉄欠乏性貧血と信じられてきた。

 

しかしこれに対して波紋を投げかける研究が出ている。

 

鉄欠乏性貧血は若年女性の貧血のわずか5%のみという内容である。

 

エチオピアの疫学研究で日本とは関係ない話と一笑に付する方もいるかもしれないが、本当だろうか?鉄を補充していれば済む問題だろうか?これまでにも常識と考えられてきた多くの医学的事実が覆されてきた。

 

不妊女性にフェリチンが足りていない、鉄欠乏性貧血が多い、と結論した『信頼に足る』医学報告はいくら探しても見つからない。そう主張したいのなら自身で日本人若年女性できちんとデータを集めていただいたうえでお願いしたい。

 

今日の一曲:The Dramatics / What You See Is What You Get 再掲。嗚呼!ドラマティックス!