薬剤Xは関節リウマチに伴う痛みの治療に用いられる。この薬剤はpKaが4.4の弱酸性で、主に胃から吸収される。胃と血液のpHで存在するイオン化条件により、薬物Xは効率的に体内に吸収されると判断される。この薬物の物理化学的状態として最も可能性が高いのはどれか?
 

 

 

 

薬物Xは胃の中でプロトンと結合し、主に非イオン化され、疎水性の腸管膜を通過して吸収される。血流のpHは約7.35~7.45であり、この条件下では薬物Xは主にイオン化する。

 

 

 

pKaは、酸解離定数の負の対数であり、与えられたpHの溶液中で、与えられた酸がプロトン化または脱プロトン化した形で存在する傾向を表す。pKaは、分子の50%がプロトン化および脱プロトン化した形で存在するpHを示す。pKaは酸の強さに反比例し、強い酸はpKa値が低く、弱い酸はpKa値が高くなる。pKaと緩衝溶液のpHの関係は、ヘンダーソン-ハッセルバルヒの式で表される。一般に、pKaより小さいpHの溶液中に酸が存在する場合、その酸は非イオン化、プロトン化した形で存在する。対照的に、酸がpKaを超えるpHの溶液中に存在する場合、酸は主にイオン化した共役塩基の形で存在することになる。医薬品XはpKaが4.4の弱酸である。胃酸のpHは2未満であるため、溶液中のプロトンが過剰になり、薬物Xは胃の中でプロトンと結合し、主に非イオン化され、疎水性の腸管膜を通過して吸収される。血流のpHは約7.35~7.45であり、この条件下では薬物Xは主にイオン化する。