BSで久し振りに成瀬巳喜男監督作品の「乱れる」 を観ました。
何回観ても悲しく感動させられる。ラストシーンの美しさ、よみがえる感動です。
素晴らしい昭和の時代の雰囲気この感動は心に残ります。
高峰秀子の名演技が素晴らしい!
さて大昔1940年頃、高円寺一丁目青梅街道の側に古い古い映画館、光風亭いうのが、古い古い市場の出口にありました。
この映画館って言うのが古くて時には旅まわりの芝居もかかる小さな映画館なのです。小学校の同級生のお父さんがやってる映画館なんです。
橫ちよに小さなあなが沢山あってよくそこからのぞいていました。
棄てられた古いフィルムなんか、よく拾いました。
この映画館で私は芸能界に目覚めたのです。
子供料金が安かったので、よく通いました。
チャップリン、マルクス兄弟。チャンバラ映画、夢中でした。
そうして何回か父に連れられて鑑賞したエノケンの「孫悟空」にははまりました。
その頃父に毎夜お伽話みたいに語られる孫悟空のお話しには、はまりました。
父の創作もはいりの「孫悟空」の面白さは、面白くて面白くてたまりませんでした。
沢山の化け物話は、父の巧みな話術にのまれました。
エノケンの「孫悟空」に至っては父のお話しとあいまって、完全にのまれました。弟と妹と私です。
高瀬実乗の化け物は面白くて子供達に一番人気でした。
台詞は必ずとなえる「あのねおっさんわしゃ、かなわんよ!」凄い人気でした。高瀬実乗は大河内伝次郎の丹下左膳でも同じ台詞「あのねおっさんわしゃ、かなわんよ」と唱えてました。兎に角ところかまわずです。
その後まだ青梅街道を
走っていた都電「チンチン電車」で成子坂上で降りて成子坂上映画館で、父に兄弟で連れていかれた羅門光三郎の「大暴れ孫悟空」坂東好太郎。伴淳三郎。春本富士夫。を観ました。
しかしエノケンの「孫悟空」にはかないませんでした。何しろキントン雲が飛行機だったり、音楽はオペレッタ、ミュージカルだしアイデアも豊富で飽きさせません。さすが山本嘉次郎監督です。1940年の作品です。
高瀬実乗の「あのねおっさんわしゃ、かなわんよ」の台詞がここで出る。
孫悟空が銃で敵を射つ