17代目中村勘三郎先生とは帝国劇場とか新橋演舞場。宝塚劇場御園座等で「台所太平記」「新台所太平記」「本日休診」「喜劇百年目の幽霊」「ミュージカルとりかえばやものがたり」「あわ雪豆腐」「春雷」全て平岩弓枝作、演出。に出演させて頂きました。

この写真は「台所太平記」帝国劇場千秋楽のカーテンコールの写真です。

向かって右から麻丘めぐみ。井上順。松原智恵子。乙羽信子。中村勘三郎。新珠三千代。緋多景子。小林誠。十勝花子です。

カーテンコールとは千秋楽に主な出演者と全出演者がずらりと列びお客様にご挨拶する、儀式みたいなものです。

大昔には勝手に早く帰りたいものだからカーテンコールに出ない人もいました。

だんだんとしきたりとなって、決まりとなりました。

特に日比谷芸術座のカーテンコールは千秋楽にお客様のお楽しみなる、今月の芝居の出演者のご挨拶と次月の出演者とのご挨拶がありその時に大きな鍵をリレーのやうに手渡す儀式があったんです。それはスターが沢山入らして豪華な華やかなものでした。

しかしその儀式に重要な司会が入るんです。

だいたい司会は劇団、主な東宝現代劇の劇団員がやることになっていました。

又司会とは芝居を、演じるのとは違った緊張感があって、ある時慣れない人にやらしたら、めちゃくちゃに上がってしまって、ハチャメチャになったことがありました。

わたしは、向いているのか芸術座のカーテンコールの司会はそれこそ何回もやりました。

十朱幸代さん主演の「雪国」の三百回記念のカーテンコールには報道陣、テレビ局、新聞社と超満員のお客様の前で司会をやりました。

特に気をつけなければいけないのはほどほどに軽く司会をして名前は絶対に間違わないことでした。

芝居の演技とは又違うものでした。

日頃、東宝の音楽、バラエティーショーの司会なんかよく依頼されてやっていたのが功をそうしたのかも知れません。