1968年1月2日から21日楽日「東宝喜劇」名古屋名鉄ホールのパンフレット
 「船場のぼん」と二本立て
 ペテン師で左側から、赤パッチ演ずる私。真ん中に平凡太郎さん演ずる善六。
留を演ずる橋本仙三さん。マダム章子、演ずる春川ますみさん。
 左から二人目雪枝の高石かつ枝さん左側から一人目、左とん平さんの刑事二人目は私の赤パッチ
 左側一人目、私の赤パッチ真ん中に春川ますみさんのマダム章子
 左側からペテン師役の橋本仙三、平凡太郎、私
 左から私、橋本、内山恵司、平凡太郎、高石かつ枝
もう一本の作品「船場のぼん」左側から私の丁稚捨松。真ん中に左とん平さんの丁稚千代松
 同じく船場のぼんのとん平さんと私

 名鉄ホールのお客様は東京と大阪の真ん中にあたる劇場で田舎からいらっしゃるお客様も多いが、東西の真ん中にあって眼の肥えたお客様が多いです。

 素朴なお客様と芝居通のお客様でよく芝居は受けます。

 今は残念ながら名鉄ホールは無くなってしまいましたが。よく満員になる劇場でした。しかも名鉄デパートには私には懐かしいアートコーヒー店もあったのです。

 さてこの芝居の座組は、高島忠夫。五郎八。左とん平。平凡太郎。立原博。小鹿番。野村明司。和気成一。南悠子。小桜京子。西岡慶子。高石かつ枝。榎本美佐江。愛京子。春川ますみ。浪花千栄子と座組は賑やかです。「船場のぼん」は人気作品で毎年名鉄ホールで公演されます。花登筺先生の作、演出で私も何回も高島忠夫さんのぼんシリーズには出演してます。花登筺先生の作品にも多彩な役を頂き演じました。江戸っ子なのに関西弁の芝居によくでてました。高石かつ枝さんも気さくな方で親しくさせて頂きました。

 さてもう一本の「ペテン師交響楽」は佐川恒彦の「詐話師」を、東宝の日劇とか新宿コマ劇場の台本を書かれている安永貞利さんが脚色し東宝の津村健二さんが演出されました。

 話の展開はテンポよく面白く進みお客様は大喜びでした。隠れた傑作喜劇です。

 この時はぼんシリーズの丁稚捨松役とペテン師の方は赤パッチと出っぱなしで忙しい役でしたが、本当にやりがいがありました。

 やはりこの「ペテン師交響楽」は以前新宿コマ劇場で公演されて評判だったそうです。うん。芝居はまず台本です。

 演じていて役者が、のれる作品だったのです。しかしもう再演される事も無いでしょう

 舞台は映画やテレビドラマみたいに映像として残りませんが、役者や関係者の一人ひとりに死ぬ迄は記憶に残ります。だからでもありませんが、古い話も喋っておきます。