昭和37年7月8月志ん朝さん主演、三遊亭圓生さんと我々、劇団東宝現代劇出演の寿限無の青春。芸術座
その前に同じ作品で題名だけ違う「真打」劇団東宝現代劇第一回新作ロードショウ公演を日比谷芸術座で(今のシアタークリエ)
名古屋でいつもお世話になっていた斎藤さん一家と古今亭志ん朝さん。娘さんはNHKの中学生日記のレギュラーで後にミス水戸黄門とかミス月光仮面になった智美さん。丁度お姉さんの林子さんは東京にTVドラマ出演で不在だった。写真はお父さんとお母さん。
いつも芝居の公演で、お母さんの料理が美味しくてご馳走になっていた。今現在林子さんと智美さんは、りんともシスターズとしてコンビを組んでザ・ピーナッツの歌を歌いまくっている。カメラは私です。
 
 このご一家と懇意になったのは、息子さんが子役で「あかさたな」三木のり平。山田五十鈴出演中日劇場に出ていたのがきっかけだった。私は車夫東六役で、再演するたんびたんびに出演していた。
 古今亭志ん朝さんはよく三木のり平さんの舞台に出ていた。
 
 さて私も子供の頃から落語が好きでよくラジオから聴いていた。

 寄席にも出かけて東宝演芸場では古今亭志ん生の噺をしながら寝てしまったのも見たし、三平さんも生で見ている。とにかく味のある人が好き。

 レコードも古今亭志ん生の三軒長屋とか火焔太鼓なんかよく聴く。

 言わずもがな古今亭志ん生さんがお亡くなりになつた後はまた違った味の、古典落語の名人古今亭志ん朝さんをよく聴いた。

 古今亭志ん朝さんとは、まず舞台「寿限無の青春」日比谷芸術座公演でご一緒した。

 八千草薫。中村芝鶴。三遊亭圓生。浜木綿子出演。小幡欣治作菊田一夫演出。

 落語もたっぷり楽しめる演出だった。
  
 昭和53年9月名古屋名鉄ホール「もくれん茶屋日記」で、古今亭志ん朝さんと共演する。逢坂勉脚本演出。古今亭志ん朝。野川由美子。沢田雅美。小雁。財津一郎出演である。こてこての大阪弁の芝居である

 志ん朝さんはよくお酒を飲んだ。

名古屋三座、御園座、中日劇場、名鉄ホールに出演の役者のたまり場である…歌えて踊れてくつろげるサンホセと言うクラブに毎日の様に通った。

志ん朝さんは、流石会話も楽しく、人柄の良さも最高だった。

 兎に角ふわっとした雰囲気で暖かみを感じた。

 いつだったか夕方6時ごろ赤坂で偶然お会いした。朝さんが「コバちゃんどちらえ」と聴くから…「芝居観に行くんですよ」と答えると、「又、又、又」と小指を出す…「本当ですよ」と応えると「洒落、洒落、洒落」と軽いしぐさで応答する志ん朝さん。
 
 会話ひとつひとつが落語の雰囲気だった。
その時は樋口一葉を演ずる女優さんの芝居を観に行ったのだったが。

 もっともっと古今亭志ん朝さんの落語を味わいたかった。