最近古い映画をよく観ます。
それはBSTVとか昔のVHSとかで過ごした経年変化を享受した味わい深さを確かめているかも知れません。

 まず昭和21年終戦直後に製作された東宝の「東京五人男」日本が世界を相手に戦争して負けた年に作られ、実際の焼跡そのままに撮影した「東京五人男」です。

 終戦前、今のコロナ以上に恐怖だったのはアメリカのB29爆撃機の日本上空からの爆撃機の空襲です。

 日本はそれによってどれだけ人々が殺され建物が焼かれたでしょう。

 私の小学校も焼かれました。人はいつ殺されるか、大変な恐怖でした。その恐怖はコロナどころではなかったです。

 そうして最後に原子爆弾により日本は降伏しました。

 それからの日本は国民全体が貧乏に苦しんだんです。

 その終戦後のありのままを喜劇にして山本嘉次郎監督が描いた作品です。

 この映画をOAするにあたり岸惠子、池部良、笠智衆さん達の座談会があって、映画にまつわる話しを語っています…

 東京五人男は古川ロッパ。エンタツ。アチャコ。柳家権太郎。石田石松。です。私の好きだった高勢実乗(どんなシーンでも関係なく、あのね~おっさんわしゃかなわんよ~と台詞を言う珍優。地はイケメン)で、子供に人気がありました。

 面白可笑しく、焼跡、お米の配給とか満員の表迄ぶら下がるお客さんのチンチン電車情景が、焼跡だらけの日本の情景がドキュメンタリーみたいに白黒映画に描かれてます。

 この情景は私にとっては原点なんです。無、貧乏からの情景が始まりなんです。

 そうして「勝手にしやがれ」フランス映画で勿論白黒です。

 1959年のジャン•リュック•ゴダール監督作品です。

 ジャン•ポール•ベルモンド。ジーン•セバーグ主演で、ヌーベルバーグの記念碑的作品でして。

 手持ちカメラで街頭撮影、即興演出と新たな事にどんどんアタックしてました。

 沢田研二のヒット曲の「勝手にしやがれ」のタイトルはこの映画が元です。

 何と言ってもこの映画の魅力はジーン•セバーグの透明で可憐な美しさです。

 彼女は40才の若さで亡くなっています。美人薄命といいますが、儚いです。

 何といっても懐かしいのは、行った事もないあの当時の白黒に映るパリの街街の姿です。

 映画って言うのは、色々と人生を感じさせてくれます。