1065年自分が、俳優として認められて来はじめた年なんですが。

 その頃めぐりあったのが、フジテレビの連ドラの「坊ちゃん」でした。演出はもとフジテレビのエグゼクティブ•プロデューサー大野木直之さんのオーディションに受かり、レギュラーとして連続6作品に出演が決まりました。

  東宝現代劇の小鹿番、高橋欣三くんらも選ばれほんとうに毎日が楽しい仕事でした。

歌舞伎界の大御所白鴎さんがまだ市川染五郎の時代の「坊ちゃん」です。

マドンナには東宝現代劇の美女優喜浦節子に決まりました。

 何と言っても活躍出来たのは我々学生が坊ちゃんにしかけるいたずらでした。

 まだ頭髪がふさふさでしたので思いっきり坊主刈りにして、イナゴをしかけたり、団子を立ち食いして、勝手な坊ちゃんの噂話を叫んだりテレビ局がまだ新宿河田町にあった頃の話です。

 スタッフも優しくて仕事がしやすかったです。

とにかく出演者が豪華でした。

 狸校長 三島雅夫。赤シャツ教頭 北村和夫。
山嵐は加藤武。うらなりは片山 明彦。
西丸(漢学)沢村いき雄。友田(博物)南利明
大野(東洋史)立原 博。小使い 中村是好
のだいこ 三木のり平。マドンナの父 高田 実
母 東郷晴子。赤間次郎(赤シャツの弟)小鹿番。
生徒牛田寅次 高橋欣三。生徒猪熊定之丞 小林誠。
寿ず女 青山京子。古賀の母ひさ 原ひさ子。
萩野夫人 岸 輝子。団子や 近松麗江
お清 浦辺粂子。巡査 柳谷 寛。
車夫 堺 左千夫。番頭 梅津 栄
ハナ 小文字 まり。女房 千石規子。
いか銀 有島一郎
とそうとうな豪華なキャストだった。

脚本 山中 恒
タイトル画 近藤 日出造。

  テレビ局の雰囲気もすこぶるよく楽屋も楽しかった。当時のメークの人気ものの山崎トメ子さんはどうしているかも?わかりませんが。

 制作はフジテレビと東宝テレビ部でした。
スポンサーは明治乳業と信託銀行6社でした。

 舞台俳優なのに当時はやたらテレビの仕事が続いて中々舞台に戻れませんでした。

 それで演劇部に、睨まれました。

 その数十年後も大野木直之さんとのお付き合いは続き初めて私がプロデュースする博品館劇場[一人二役]ロベール•トマ作多岐川裕美。名高達男主演の演出をお願いしました。芸術座の2ヶ月出演の俳優としての舞台の合間をぬってのプロデュースです。

 人間長生きしていると色々との出会いがあるもんですね。