舞台の公演「おはん」山本陽子主演で各地をまわり、長崎に行ったときに原爆投下跡を訪れた。
 ただただ、溢れる涙が止まらなかった。

 終戦75年前東京の焼け跡にただずんた時も涙がとまらなかった。明日から全てを失って生きていかなくてはならない決意!

 そうして映画「ビルマの竪琴」市川崑監督安井昌二主演の作品を観た時も泣けて泣けて涙が止まらなかった。1985年にも同じ監督で、中井貴一主演で再映画化された。

 その感動の作品を帝劇で
舞台化した。かなり前に新国劇で新宿コマ劇場で舞台化したのを確か観に行ってた。

 昭和五十年四月にいよいよ帝劇にて一ヶ月「ビルマの竪琴」を公演する。

 菊田一夫演劇祭。竹山道雄原作。菊田一夫脚本・演出。津村健二演出。音楽 古関裕而。

 敗戦の翌年に原作は書かれた。児童誌「赤とんぼ」に連載された。

 主演は市川染五郎、今の白鴎さんである。同じ時代にフジテレビの連ドラ「坊ちゃん」夏目漱石原作で主演の坊ちゃんを市川染五郎主演で演じており、私もフジテレビのオーディションを受けて「坊ちゃん」のレギュラーになって共演していた。

 水島上等兵を市川染五郎が、演じてる。
岡崎友紀。千石規子。小鹿番。内田朝雄。芦田伸介。

 私の役は木島一等兵で12場面も出ずっぱりの忙しい役だった。

 NHKの連ドラ「エール」の古関裕而先生の音楽は「ビルマの竪琴」でも大傑作だった。埴生の宿をイギリス兵と日本兵と歌うクライマックスは感動をよんだ。

 激戦の後放置された日本兵の死骸を葬る染五郎演ずる水島上等兵。敗戦になってもビルマの僧になってビルマに残って戦友の霊を弔う水島上等兵。

 ムドンの収容所から水島そっくりなビルマ僧に呼びかける我々兵隊達「おーい水島日本に帰ろうよー」悲痛な哀しみが胸にせまっていた、舞台の上でも。

  そのビルマ今はミャンマーが軍事政権、独裁政権でとんでもない事になっている。悲しむべきか。