最近太宰治の作品が映画化されるが、
昭和42年日比谷芸術座で「太宰治の生涯」の公演が行われた。なんとも地味だが出演していてなんか文学的情緒にしたれる芝居だった。

椎名龍治脚本演出菊田一夫。出演。中村吉右衛門。三益愛子。田崎潤。中山千夏。川口知子。白川由美。山岡久乃。小林千登勢とかなりの豪華な配役だった。

私の役は太宰治の文學仲間チユーで屋根の上で太宰治と喋った記憶がある。その場面はとても楽しかった。今や歌舞伎界の大御所である若き日の中村吉右衛門さんと何回も共演したその中の1作である。

美術 浜田右二郎。照明穴沢貴美男。音楽古関裕而 上演期間 4月29日より6月26日迄。

その後川口知子さんは不幸な事件でお亡くなりになった。

私は太宰治、坂口安吾、織田作之助の作品は好きでよく読んだ。「ヴィヨンの妻」は朗読劇もやった。結構長かったのにお客さんかなり興味深く観て下さった。

もう世間には忘れられるであろう舞台でのこういう作品などを時々は記していきたい。
残念ながら映画の様に像が残らないので。